いまやファッションアイテムとしてはもとより、旅行やビジネス用としても欠かすことのできないアイテムがバッグ類の数々です。
一般向け既製品から海外高級ブランド、高い耐久性を持つバッグ製造専門メーカーに至るまで、バッグは細かい工程・技術・加工を経て日常の使用に耐えうる耐久性を確保していますが、使用頻度や経年劣化により、傷みや破損など様々なトラブルは避けて通る事ができず、定期的・あるいはトラブル発生時速やかに修理・メンテナンスを施すことが重要です。
主に起こりがちなのが使用頻度の高いファスナー・ハンドルなどのトラブルですが、中でも発生すると厄介なのがバッグの四隅を補強し、バッグそのものが型崩れしにくいよう形成されているパイピング部の破れ・傷みによる破損等のトラブルです。
パイピング部に傷みが生じたまま使用を続けると、バッグが型崩れを起こし、見た目が悪くなるだけではなく、バッグ本体に直接ダメージが発生し、使用できなくなる重症に発展する可能性が出てきます。
通常、バッグのパイピングは自分で修理するのは難しく、できたとしても一時しのぎになる可能性がほとんどで、やはり製造専門メーカーやブランド取り扱い正規ブティックを通して、正規カスタマーセンターに依頼するのが無難です。
しかし、バッグ正規サービスの場合、納期が長く料金も高額になりがちなど、もろもろの事情から正規サービス以外に優秀な技術を持った皮革製品修理専門店に依頼するユーザーも多く、おすすめの方法になっています。
ここでは、バッグのパイピングにトラブルが生じた際の修理作業内容や正規サービスと皮革製品修理専門店の対応の違いについて紹介して行きます。
愛用のバッグがパイピングのトラブルで使用できず困っている方や、依頼先をどこにしようかとお悩みの方は、是非この機会にご一読ください。
Contents
バッグのパイピングとは
バッグの骨格をなす重要な加工がパイピングで、パイピングとはバッグの形を保つため、プラスチック製などの芯を指し、バッグのデザインに合わせて加工され、素材に合わせた革や生地を巻く(テーピング)によって補強されているのです。
このパイピングに巻いてある革や生地が擦れて芯の部分がむき出しになったり、最悪の場合飛び出してしまいます。
こうなると部分的に革や生地をテーピング補強したり、パイピング自体が傷んでいる場合は、作成しなおし形を整え直します。
パイピング修理の作業内容について
パイピングのトラブルを修理・メンテナンスする場合、生じているダメージの状態によって作業内容が変わってきます。
軽度なスレ等による損傷の場合、専用の補修材による色補修や、(補色・カラーリング等)・部分的にパイピングを補強する・損傷しているパイピングの交換などで対応する事になります。
さらにパイピングの損傷がひどく、上記の作業でも修復困難な場合はパイピング自体を新しく作り直し、取り付け交換を行うことになり、大掛かりな作業で料金も高額です。
しかし、愛用のバッグがパイピングの取り付け交換でバッグの状態が劇的に修復できるのであれば、多少費用が高額でも充分作業を依頼する価値があります。
- 重度な損傷の場合・パイピング修理の作業内容
:パイピング全体の作成
:素材を完全に交換する
:パイピングを含みバッグ全体を染め直す
:合わせて金具・ベルト等の関連パーツを同時点検し修理
製造専門メーカーやブランド正規サービスに修理を依頼するメリット
バッグを修理・メンテナンスに出す際、通常、特に海外高級ブランド製やバッグ製造専門メーカー製などは、購入した正規販売店を通じて、正規メンテナンス工房・またはカスタマーサービスに依頼するのが普通です。
正規工房・正規サービスを利用するメリットは、交換部品に純正部品が使用される事、製造元へ製品を預ける安心感・専属の職人によって作業が行われる・等があります。
逆にデメリットとしては作業納期が長期間に渡る事・料金などの決定が製品預かり後見積りとなるため、事前確認ができない・作業料金が高額になりがち・などが挙げられます。
海外高級ブランドやバッグ製造専門メーカーの場合、パイピング修理・メンテナンスについてはほとんどが製品預かり後見積りとなり、事前確認はできないので、バッグのパイピング修理・メンテナンスを正規サービス・正規メンテナンス工房に依頼する際は、納期・予算に十分な余裕を持つことが重要です。
記事参照:ルイヴィトン公式サイト・ルイヴィトンのケアサービス
皮革製品修理専門店にバッグの修理・メンテナンスを依頼するメリット
一方、バッグのコレクターや一流ブランドバッグの愛好者には、正規メンテナンス工房や正規サービスをあえて利用しない人もおり、そういった方々は優秀な技術・実績を持った皮革製品修理専門店に依頼する人が多いです。
皮革製品修理専門店に依頼する大きなメリットは、迅速な納期の早さ・正規料金よりも格安な料金・基本料金が明確・また優秀な職人が在籍する修理専門店なら、正規サービス・工房と同質の作業内容が受けられる点にあります。
しかし、皮革製品修理専門店の場合、修理店の数が非常に多く、慎重に修理店を選択しないとなりません。
理由として、在籍している職人の技術力が修理店によって異なるため、経験の浅い・また技術力の低い職人が作業を手掛けてしまうと、製品の状態を的確に見極めることができず、満足のいかない仕上がりにならないことが多々見受けられる為です。
ですので、在籍している職人の力量など情報をできる限り集めて、慎重に検討を行い、できれば来店時に担当する職人と面談を行い、作業内容を細かく確かめておくことが非常に大切になります。
では、皮革製品修理専門店のパイピング修理作業料金の相場を調べてみましょう。
パイピング修理作業内容 | 皮革製品修理専門店料金(概算・目安) |
---|---|
軽度な損傷(スレ・上巻きのみ交換等) | 3,000円~(概算・目安) |
重症の場合(角・全体の交換等) | 25,000円~(概算・目安) |
その他 | 応相談・要見積り |
このように、皮革製品修理専門店の場合、製造メーカーやブランド正規サービスと異なり、基本料金の目安が示されている修理店が多く便利で依頼の際、安心感があります。
また納期も正規工房や正規サービスだと約1ヶ月~長い所では6ヶ月かかるところもありますが、皮革製品修理専門店だと基本約3~4週間と早い納期になっています。
バッグのパイピングを修理・メンテナンスしたい場合製造メーカー・ブランド正規サービス・または皮革製品修理専門店などメリット・デメリットを重要視して慎重に選ぶのが良い
バッグは使用頻度の高いアイテムと言え、特に海外高級ブランド製やバッグ製造専門メーカー製は職人が行動な技術を用いて製造・仕上げを行っており、高い耐久性を誇っていますが、それをもってしても使用頻度の高さ・経年劣化による傷みや破損等のトラブルは避けることができず、日常のお手入れはもちろん、定期的に修理・メンテナンスを施すことが必要です。
特に放置しておくと重症になるのがバッグ自体を形成・形を維持するための部品・パイピングのトラブルで、高額な修理料金がかかり、最悪の場合使用できなくなる事になります。
通常は購入した製造マーカーやブランド販売ブティックを通じて正規メンテナンス工房・正規カスタマーサービスに依頼します。
しかし、正規メンテナンス工房・正規カスタマーサービスの場合、納期が長い・料金が高額になる例が多いなどの理由から、あえて正規サービス以外に優秀な技術・実績を持つ皮革製品修理専門店を利用する人も多いです。
皮革製品修理専門店は迅速な納期の早さ・格安な作業料金などメリットが高いですが、優秀な職人が在籍する修理店を選択しないと、満足のいかない仕上がりになる可能性もあります。
それぞれの長所・短所を十分踏まえた上で、要望に沿った修理店を選択するようにしましょう。