2021.8.26

2021.8.26

時計のオーバーホールのオイル(潤滑油)ってどんな物を使ってるの?

array(1) {
  [0]=>
  object(WP_Term)#12323 (17) {
    ["term_id"]=>
    int(1)
    ["name"]=>
    string(6) "時計"
    ["slug"]=>
    string(5) "watch"
    ["term_group"]=>
    int(0)
    ["term_taxonomy_id"]=>
    int(1)
    ["taxonomy"]=>
    string(8) "category"
    ["description"]=>
    string(0) ""
    ["parent"]=>
    int(0)
    ["count"]=>
    int(452)
    ["filter"]=>
    string(3) "raw"
    ["term_order"]=>
    string(3) "154"
    ["cat_ID"]=>
    int(1)
    ["category_count"]=>
    int(452)
    ["category_description"]=>
    string(0) ""
    ["cat_name"]=>
    string(6) "時計"
    ["category_nicename"]=>
    string(5) "watch"
    ["category_parent"]=>
    int(0)
  }
}
時計
オイルを溜めておく工具とオイルを注す工具

腕時計の部品はネジまで含めると200個以上のパーツで構成されており、それぞれの部品を効率よく動作させるために潤滑油が使われています。

油の種類もいくつかあり、粘度にも違いがあります。この油を使い分け、適切な箇所に適切な量を注油することで時計が正常に動くようになるのです。

今回は油の役割と時計修理業界でよく使われているスイス製の油をいくつか紹介し、用途別に説明していこうと思います。

油の役割とは?

上記でも述べたように時計には歯車をはじめとして多くの部品で動いています。油はその部品同士の摩擦を軽減したり歯車類の軸の摩耗を防止する役割があります。それぞれのパーツにかかる負荷や摩擦を考慮し、適切な油の種類と量を見極めた上で注油する必要があります。どちらも知識と経験を必要とするので技術力のある時計修理技能士がオーバーホールを行うことが大事になってくるのです。

油は何種類使うの?

時計に使われる油は大きく分けると4種類あります。それぞれ粘度が異なり、粘り気のある重い油から液体のようにサラサラな軽い油まで種類が分かれます。粘度の重い順に下記の通りになります。

  • 9504
  • 9104(HP-1300)
  • 9010
  • 9415

これらの油をパーツの動き方や役割によってそれぞれ使い分けをしなければなりません。間違った箇所に注油してしまうと時計の動きが悪くなり、正常に動作しなくなってしまうからです。また、注油する量も箇所によって異なります。

それでは各油の特徴と用途を少し説明していこうと思います。

9504

摩擦が多いパーツに使用する特殊グリース

主に部品同士が直接接触する箇所に使用する特殊なグリースです。パーツが動いていない時は半グリース状、動いている時は液状に変化する特性があり、潤滑の性能を長期に持続できる油になります。

香箱や巻き芯、キチ車、ツヅミ車、オシドリと呼ばれるパーツに使用することが多いです。基本的に力の加わるパーツに使われ、時計の動力の元になっている部品でもあるのでしっかりと注油する必要があります。

9104

主に輪列や裏回りに使用するオイル

力のかかりやすいパーツにも使え、耐久性も高い合成時計油です。非金属にも使用することができ、-25℃~+100℃の温度下でも安定した効果を発揮します。

機械式時計やクロノグラフ時計を対象とした油のため、時計の輪列や裏回り、クロノグラフモジュール部分等のほとんどのパーツに対応できるくらい高品質になっています。

画像は赤色の色素が添加してありますが、裏ブタがスケルトンになっている時計に使用する透明なタイプの油も存在します。

9010

輪列や摩擦が少ない軽めのパーツに使用するオイル

紹介した油の中では粘度が一番低く、液体に近い合成の油になります。 劣化に対する耐性が高く、ムーブメントの小さな部品ごとの目詰まりを防ぐ特性もあり、長年にわたって時計業界で使われている油です。

また、油がその場にとどまり拡散しにくいという特性もあるので、主に4番車やガンギ車と呼ばれる軽めの輪列や脱進機に使用されています。

こちらも画像のタイプは薄い青緑色ですが、9104と同様にスケルトン用の透明な油もあります。

9415

アンクルに使用するオイル

機械式時計の脱進機用に開発された合成のグリースです。脱進機とアンクルと呼ばれるパーツの潤滑を目的とした油で優れた安定性と潤滑性を備えており、効率的な潤滑膜を形成する特性を持っています。

また、上記で紹介した9504のグリースと同様にパーツが動いていない時は半グリース状、動いている時は液状に変化する特性も持っているため、持続性も高いです。

紹介した以外にも時計に使われている油はたくさんあり、成分や粘度は当然異なりますが、基本的にトルクのかかる部品には粘度が重い油を使い、トルクのかからないデリケートな部品には粘度の軽い油を使うということに変わりはありません。

油を注す方法は?

上記で紹介したように油は小さなビンに入っています。オーバーホールを行う際はオイルカップと呼ばれる工具に少量づつ移し、そこからオイラーと呼ばれる油を注す工具を使用していく形になります。

オイルを溜めておく工具とオイルを注す工具

オイラーは元々は針のような形をしているのですが、先端に角度を付けて加工することで油の量を調整できるようになっています。どのくらいの量が適切なのかはムーブメントによって異なるので技術者の判断にゆだねられます。

油によるデメリットはあるのか?

油を注した直後は純粋に潤滑油の役割を果たすので全く問題はないのですが、経年劣化で油が乾燥し、固まってしまい、時計に悪影響を与える可能性があることがデメリットであると言えます。乾燥した状態の油は余計な摩擦を生みますので歯車やパーツ類を摩耗させてしまいます。

定期的なオーバーホールが必要であるという理由の一つがこの油の経年劣化を防止することになります。

まとめ

以上が油に関する簡単な説明になります。

油の状態と時計の精度や持続時間は大きく関係してきます。精度が悪くなってきたり持続時間が短くなってきたといった症状が見られた場合は油の劣化が進行しているサインかもしれません。少しでも気になるようであれば修理専門店に相談してみるとよいでしょう。点検程度であれば無料で見てくれる所が多いです。

油は腕時計を正常に動かす上でなくてはならないものですが、年数経過で劣化していくものであるということも理解しておきましょう。

同時に時計を大切に扱っていこうと思うのならば、定期的なオーバーホールが必須ということも覚えておくと良いです。

経験豊富な技術者達へ時計を送らず一括見積もりをしてみる

持続時間が短くなってきたり、制度が落ちてきた場合は、オーバーホールのタイミングかもしれません。

CraftWorkersを使えば複数の修理専門店の時計修理職人達に一括見積もりが可能です。

時計のオーバーホール

CraftWorkersでは時計修理の資格を取得していて、全国対応している時計職人を紹介しています。

ホームページ内ではどのような資格を所有しているのか、技術者歴は何年間なのか、など一人一人のプロフィールを確認できますので、ぜひ覗いてみてください。

CraftWorkersの特徴

  • メーカーやデパートよりも料金が安い
  • 最短で3週間と納期が早い
  • 担当する職人が選べる
  • 時計修理技能士1級など全ての職人が資格を保持
  • 修理後の保証が1年間と安心
  • 交換部品があった場合にはメーカー純正部品を使用している
  • 見積・送料が無料

まとめて見積もりフォームから時計の情報を記入し送信するだけで、CraftWorkersにて紹介している複数の職人から概算見積もりをメールで受け取れます。住所、電話番号は記入する必要はありません。

           
Now Loading...

Now Loading...

入力内容の確認

あなたにおすすめの記事

よく読まれている記事

この記事を見た人はこんな記事も見ています