17世紀後半の昔から、フランスには優れた服飾・皮革加工職人が数多く存在し、長い歴史の中で熟成された技術は現在もフランスの優れたファッションブランドを支える源になっています。
1792年、ピエール・フランソワ・マルタンはレイティエ・コフレティエ・アンバルール(荷造り用木箱、梱包用品製造職人兼荷造り職人)という会社を設立しました。
旅行用のボックス・スーツケースは当時、まだ信頼できる耐久性や機能性が確立されておらず、そこに目を付けたピエール・フランソワ・マルタンは皮革・キャンバス等の素材を優れた技術で加工しボックスケースに仕立て、その評判はたちまち高まり、ベリー公爵夫人マリー・カロリーヌ・ド・ブルボン・シシル妃殿下御用達など、貴族の愛用品として成功を収めます。
その後、跡継ぎがいなかったピエール・フランソワ・マルタンは弟子として働いていたルイ・アンリ・モレルを後継者に指名します。
モレルは事業を引き継ぎ、新たに「モレル社」としてスタートを切り、事業の拡大に集中、更なる発展を遂げました。
しかし、1852年にモレルが急死し、モレルの弟子であったフランソワ・ゴヤールが事業を引き継ぐこととなり、「メゾン・ゴヤール 」に社名を変更します。
そしてフランソワの息子であるエドモン・ゴヤールが1885年に父の跡を継ぎ、ここから現在フランス発の名ブランドに数えられるゴヤールの歴史がスタートします。
エドモンは独自の製法で生み出したキャンバス生地「ゴヤールディン」を発明、耐久性と耐水性に優れた「ゴヤールディン」はゴヤールのボックスケース・トランクなどに使用され、その高い品質は世界中の評判を呼び、現在もブランドを象徴するアイコンとして継承されているのです。
その後ゴヤールはモナコ、ロンドン、ニューヨークなどに店舗を出店、海外進出を果たし本国フランスのサントノレ通り本店は富裕層のみに顧客を限定するなど、戦略的な経営に乗り出します。
現在のゴヤールはボックスケース・トランクなどえ培った高度な技術を惜しみなく発揮し、現在のメインコレクションとなるバッグ・レザーアクセサリー等を展開、世界トップクラスのラグジュアリーブランドに成長し、世界中に多くの愛用者が存在します。
特にゴヤールのトランク製造技術をハンドバッグに落とし込んだ名品、「サイゴンミニトランクバッグ」、トートバッグスタイルの逸品「サンルイ」等、世界的ヒットを記録したバッグが有名です。
厳選された上質な天然皮革やキャンバス等の素材を、熟練した優秀な職人が丁寧に仕上げたゴヤールのバッグは一度手に入れると使い込むほど味が出て愛着の湧く逸品です。
バッグ類は永く良好なコンディションで使い続けるために、壊れたり傷みが生じた場合正規ブティックに持ち込み、修理・リペアサービスを受けることができます。
また、もろもろの事情から正規リペアサービスを利用しない人もおり、優秀な技術を持ったバッグ・皮革製品修理専門店に持ち込む人も多いです。
ここでは、ゴヤールのバッグについて、修理に対する正規サービスとバッグ・皮革製品修理専門店の対応に違いを紹介します。
お手持ちのゴヤール・バッグコレクションを修理・リペアすることをお考えの方は、この機会に是非読んでみてください。
Contents
ゴヤールのバッグコレクションは購入後どの程度使い込むと修理・リペアが必要か
熟練した職人により製造されたゴヤールのバッグは、厳選された上質な皮革素材やキャンバスの素材等を採用していますが、毎日使用することで経年劣化や負荷の程度により年数が経つと、劣化による損傷・また使用している金具類も破損や傷みが生じてきます。
バッグの場合、主に経年劣化・傷みの生じやすい箇所は、持ち手・底部・ジョイント金具部品などです。
このような場合は傷みのある箇所をリペアすることになりますが、破れの場合は縫製のし直し、革部分のパーツ劣化・破損の場合はパーツを交換、金具パーツ類の損傷・劣化の場合は金具パーツを交換します。
ゴヤールの製品は全て定期的なメンテナンスを施しながら、長期間使用することを想定して製造されており、日常使用する際のお手入れも重要ですが、購入から数年経過し、傷みが生じたバッグについては、修理・リペアの検討が必要です。
ゴヤールバッグの正規メンテナンスサービスとは
ゴヤールでは製品に対する様々なアフターサービス・リペアサービスのためアフターセールスサービスを設けており、所有しているユーザーが安心して使い続けることが可能な体制を取っています。
ゴヤールのアフターセールスサービスは本物であることが確認できた製品については、フランス本社の工房と同じ優れた技術を持った専属職人が、本国から用意した純正の部材を使用し、丁寧且つ信頼の置ける作業で修理・リペアを行う形です。
ゴヤールの修理・メンテナンスは対外的に明確な料金を提示しておらず、基本は受付窓口である全国の正規輸入販売代理店が製品をいったん預かり、見積りを出した後に作業を進める形になっています。
料金は修理・リペア個所・モデル種類によって使用する部材や作業工程が異なるため、製品預かり後の連絡となります。
ですが、問い合わせの多い箇所についてはゴヤール取り扱い正規ブティックで、目安の料金を案内しています。
ここでは、ゴヤール・アフターセールスサービスの修理・リペア料金の目安を一部ですが、見てみましょう。
ゴヤールバッグ修理・リペア目安料金(一部)
ゴヤールバッグ修理可能箇所 | 修理・リペア目安料金(一部) |
---|---|
パイピング交換 | 25,000円~(概算・目安) |
ハンドル交換(2本) | 31,000円~(概算・目安) |
ライニング(内張り)交換 | 31,000円~(概算・目安) |
パイピング・ハンドル(2本)交換セット料金 | 49,000円(概算・目安) |
その他 | 要見積り |
このような目安料金になっておりますが、基本はあくまで製品預かり後見積り確定次第の連絡になります。
さらに納期ですが、通常は見積りも含み約1ヶ月半を見ていますが、交換部品が日本担当サービスに無く、フランス本社から取り寄せ・また特殊修理の場合は、納期が最速で2~3ヶ月以上と長くなりますので、ゴヤールのバッグを正規サービスで修理・リペアに出す場合は、予算・納期に十分な余裕を持った方が良いでしょう。
正規サービスへゴヤールのバッグを修理・リペア依頼するメリット
- 日本担当正規サービスへ製品を預けるため安心感が高い
- 納期は製品預かり後連絡となり、修理部品が日本担当サービスに無くフランス本社から取り寄せ・特殊修理になる場合、納期が長くなる
- 修理部品が日本担当サービスに無くフランス本社から取り寄せ・特殊修理の場合は見積り料金が高額の可能性あり
内容を直接正規サービスへ相談したい場合
ゴヤール・アフターセールスサービス: ゴヤール公式サイト内のメール問い合わせフォームから内容記載の上問い合わせ
:基本全国のゴヤール取り扱い正規ブティックが受付窓口
出典:ゴヤール公式サイト
正規サービスより依頼がしやすく料金もお得なバッグ修理専門店
ゴヤールのバッグを修理・リペアしたい場合、正規サービスは製品を預かり後見積りになり料金が高額・納期も長くなるなどの理由から、他の依頼方法を探しているユーザーもおり、そういった際には優秀で実績のあるバッグ修理専門店に依頼すると良いです。
バッグ修理専門店へ修理・リペアを依頼するメリットは料金が正規サービスよりお得な事、修理内容について融通が利く事、納期も早めに仕上がる事が挙げられます。
逆にデメリットは、あくまでブランド正規の修理ではない事、修理店によって技術力に差があり、依頼先によっては仕上がりにバラツキがあることが難点です。
修理専門店によって料金はバラつきがありますが、修理・リペアの概算料金相場を見てみましょう。
ゴヤールバッグ修理可能箇所 | 修理・リペア料金(概算) |
---|---|
スライダー交換 | 3,240円~(概算) |
ファスナー交換 | 8,800円~(概算) |
パイピング交換(全周) | 13,200円~(概算) |
ハンドル(2本)交換 | 18,700円~(概算) |
ライニング(内張り)交換 | 18,000円~(概算) |
その他 | 応相談・要見積り |
このような概算料金設定で、正規サービスの対応は全て見積りなので料金がすぐ分かりませんが、バッグ修理専門店の場合、箇所ごとに概算の基本料金が設定されており魅力的です。
納期の方も正規サービスだと目安として最速で約1ヶ月半以上のところを、基本3~4週間で納品してくれるので、便利で利用しやすくなっています。
依頼の際、注意点としては、ゴヤールのバッグは熟練した職人による非常に高度な技術で製造され、素材も厳選された上質な皮革素材やキャンバスの素材を使用しているため、良い評判と実績を持った優秀な修理専門店を選ぶ事が大切です。
バッグ修理専門店を利用する場合優れた職人が在籍するお店を選ばなくてはいけない理由
ゴヤールに限らず、有名ブランドのバッグ類を修理・リペアする場合は、必ず優れた技術を持った職人が在籍する修理店を選ぶ事がとても重要になります。
なぜなら、バッグ修理専門店はお店により在籍する職人の技術レベルが異なるため、技術や経験の浅い職人が作業を行うと、持ち込まれたバッグの状態を見極めることができず、作業・縫製の質が下がってしまい、満足する仕上がりにならないことが多い為です。
ゴヤールバッグ製品の修理・リペア経験を豊富に持ち、優れた技術を備えた職人が作業を手掛ければ、劣化・傷んだ部分を購入時のような良好な状態に取り戻すことが可能です。
そのため、バッグ修理店の情報をできる限り集めて、さらにお店の口コミや実際に職人に相談をして、信頼できるお店かどうか見極めることが大切になります。
ゴヤールのバッグをバッグ修理専門店に修理・リペア依頼するメリット
- 正規サービスよりも料金・納期がはっきりしており気軽に依頼できる
- ゴヤールのバッグを修理・リペアした経験が豊富で技術の高い職人が担当すれば高品質な仕上がりが期待できる
- 経験豊かな職人ならば細かい点まで相談でき優れた提案もしてくれるので良心的
おすすめしたい、ブランドバッグ修理専門店2選
お伝えしたように、修理専門店では正規サービスよりも費用を抑えたる事ができます。また手元に戻ってくる期間も早いです。
メンテナンス料金を抑えたい人や急ぎという人は、修理専門店への依頼がおすすめです。
ここでは、技術が高く費用を抑えられ納期も早めなブランドバッグ修理専門店を2選紹介させて頂きま
す。
創業60年を超える(リナビス)
リナビスは創業60年を超える宅配クリーニング専門店です。
衣類や布団のクリーニングも行っていますが、その技術を生かしブランドバッグのメンテナンスも行っています。
こんな事でお困りの方におすすめ
- シミや汚れ・色移り
- キズ・剥げ・破れ・日焼け
- 金具やファスナーなどの破損や劣化
選ばれる4つのポイント
- 分かりやすい料金プラン
- 熟練職人による高品質なメンテナンス
- 4,000件以上の実績
- カラーチェンジや修理にも対応
創業から60年の歴史と、熟練した職人がひとつひとつ丁寧に手作業でメンテナンスしてくれます。
「バッグ・鞄コース」「靴コース」「財布・小物コース」など、各コースごとに分かれておち料金表が分かりやすいのでまずはチェックしてみてください。
修理専門店 REPAIR-SHOP HIRAISHIYA
REPAIR-SHOP HIRAISHIYAは創業80年を超えるブランドバッグ財布の修理専門店です。
様々なブランド品の修復を行っていますが、ルイヴィトンの修理では修理業界で1番の実績があります。
こんな事でお困りの方におすすめ
- 色落ちや色抜け(染め直し補色)
- ほつれや破損
- 染みや汚れ
選ばれる3つのポイント
- 専門修復師が在籍
- ブランドバッグ・財布に特化した修理専門店
- 事前に無料カウンセリングが可能
鞄を送る事前に無料カウンセリングが受けれるので、おおよその料金が分かり安心できます。
また、日々実績が投稿されているので、どのくらいのメンテナンスを行ってもらえるのかイメージしやすいです。
ゴヤールのバッグを修理・リペアしたい場合正規サービスより優秀な実績を持つバッグ修理専門店の方がお得
ゴヤールのような厳選された上質な天然皮革やキャンバスの素材を使用し、熟練した職人の手によって高品質に仕上げられたバッグの、長年の使用で壊れた個所などを修理・リペアしたい場合、通常は正規取り扱いブティックを通して正規アフターセールスサービスに依頼する事になります。
ですが、料金や納期などもろもろの事情から正規サービス以外の依頼方法を探している方は、優秀な実績を持ち、経験値・技術の高いバッグ修理専門店に依頼するのがおすすめです。
しかし、あくまでブランド正規の修理ではない事、修理店によって技術力に差があり、依頼先によっては仕上がりにバラツキがある為、良く調べた上で良質な修理店を見つける事が肝心です。
依頼後、仕上がりに不満の出ないよう、優秀な信頼の置けるバッグ修理専門店を選択し、自宅に眠っている愛用のゴヤール・バッグコレクションを、購入時のように美しくリニューアルしましょう。