上質な革靴というとイギリス・イタリアなどのヨーロッパ諸国が連想されますが、開拓の国アメリカにも高品質な革靴が存在します。
1884年にアメリカ・マサチューセッツ州ミドルボロウで設立されたオールデン・シューカンパニーは、創業者チャールズ・H・オールデンによるタフで堅牢な造りを誇る、カスタムメイドのブーツやドレスシューズからスタートしました。
高い耐久性の高品質なオールデンシューズは、たちまちアメリカ中に広まり、幾度もの工場増設を重ね1931年にはマサチューセッツ州ブロックトンに大規模な製造拠点を設けます。
1931年を持って創業者のチャールズ・H・オールデンが勇退、財務提携をしていたターロウ家に経営を譲渡します。
これ以降、オールデンは伝統的な革靴に留まらず、矯正靴の分野にも進出、医療分野でも大きな貢献を果たしました。
更に1948年、オールデンの歴史に名を残す革新的な靴が誕生、現在もスタンダードなシューズとして有名なタッセルモカシンを発表します。
オールデンのタッセルモカシンは、アメリカの名門ファッションブランド、Brooks Brothers(ブルックスブラザーズ)に採用され、アメリカントラッドの代表アイテムとして現在も多くのユーザーに愛用されています。
1960年代後半になり、革の需要が減り経営難に陥っていた革卸業者ホーウィン社を同社が取り扱っていた最高級馬革「コードバン」を2年分買い取る事で救済、これ以降革のダイアモンドと呼ばれる最高級素材「コードバン」は現在もオールデンを最優先で供給され続けているのです。
オールデンが製造する革靴の大きな魅力は、最高級素材「コードバン」を始め、カーフ(仔牛)やディア(鹿)・キッド(山羊)のレザーやスエード等扱う素材が、全て厳選された高品質な天然皮革を採用している事、また製造を地元アンリか製造に拘り、熟練した靴職人による手作業を守り抜いている点にあります。
特にスタンダードながら、使い込むほど味が出る逸品「990 プレーントゥダービーシューズ」、オールデンの代名詞と呼ばれるタッセルローファー「986 タッセルローファー」、バリーラストを使用したチャッカブーツ「1340」などが有名です。
しかし、どんなに高い技術で製造された高品質な革靴も、その使用頻度の高さ故、普段からのこまめなケアは欠かすことができず、さらに損傷や破損、部品の外れなどが発生した場合は速やかに製造元の工房へ修理・メンテナンスを依頼する事が大切です。
修理・メンテナンスを施すことで、愛用の革靴は一生使い込める必需品となり、足元を支え続けます。
オールデンの修理・メンテナンスは日本総代理店であるラコタハウスやラコタハウス直営店で受付を行っています。
また、もろもろの事情から近年数が増えている皮革製品修理専門店を利用するユーザーも多く存在し、おすすめの方法です。
ここでは、オールデンの靴を修理・メンテナンスする際の対応・料金・納期等について日本総代理店ラコタハウスや皮革製品修理専門店の対応・料金・仕上がりの違いについて紹介して行きます。
現在オールデンの靴をご愛用の方々、これから購入を検討中の方にも有力な情報がありますので、是非この機会にお読み下さい。
Contents
オールデンの靴を修理・メンテナンスする目安について
最高級馬革「コードバン」やカーフ(仔牛)やディア(鹿)・キッド(山羊)のレザーやスエード等厳選した素材を使用し、熟練した技術を持つ靴職人により製造されたオールデンの靴は、毎日使用することで経年劣化等により年数が経つと、劣化による損傷・また使用している部品も破損や傷みが生じてきます。
革靴の場合、主に修理が必要になる箇所はソール(底材)・ヒール(踵)部分の摩耗や損傷、革素材の傷みなどです。
オールデンの靴は、長期に渡る着用に耐えうることを想定して製造されており、日常使用する際のお手入れも重要ですが、購入から数年経過し、傷みや破損・擦れなどが生じた際については、修理・メンテナンスが必要です。
オールデン靴の正規メンテナンスサービスとは
オールデンでは、長期の使用による傷みや部品の摩耗、踵・ソール・本体革の傷みに対する修理・メンテナンスを行っており、手段としてはアメリカのオールデン本社に依頼するレストレーションサービス(現在の料金で179ドル・郵送料等は除く)と、日本での総代理店であるラコタハウスに依頼する方法があります。
しかし、オールデン本社にレストレーションサービスを依頼する場合、海外公式サイトから依頼書と修理する靴を送付するキットを取り寄せる必要があり、アメリカ国外には対応していない可能性があり、また往復の輸送料や関税もかかるのであまり現実的な方法ではありません。
よって日本総代理店のラコタハウスにお願いするのが一番安心できる方法です。
ラコタハウスの修理受付は東京都に2店、大阪に1店ある直営店か全国の正規販売取扱店に持ち込み依頼するか、ラコタハウス公式サイトの修理オーダーページからEメールかオフィシャルLINEで申し込みできます。
納期は基本製品預かり後、見積りを取り修理決定から連絡となります。
料金についても基本見積りですが、公式サイトに一部基本柳雄金が載っていますので、正規サービスの基本料金をここでは見てみる事にしましょう。
オールデンシューズ修理可能箇所 | ラコタハウス正規修理料金(概算・目安) |
---|---|
ソール交換 | ソール種類別29,700~34,100円 |
ヒール交換 | ヒール種類別12,100~15,400円 |
靴全体磨き | コードバン/2,750~3,300円・カーフ/1,650~2,200円・スエード/1,650~2,200円 |
プランテーションクレープ用 先革交換 | 7,700円 |
レザー用 先革交換 | 5,500円 |
スベリ直し | 5,390円 |
トップライン補強(パイピング) | 4,180円 |
ヒールパッド交換(敷革) | 5,390円 |
トウプロテクター | 2,970円 |
その他 | 要見積り |
このような基本料金になっておりますが、基本はあくまで製品預かり後見積り確定次第の連絡になります。
また純正パーツがラコタハウスに無く、本社から取り寄せなどの場合は、納期がかなり長くなりますので、オールデンの靴を正規サービスで修理・リペアに出す場合は、予算・納期に十分な余裕を持った方が良いです。
正規サービスへオールデンの靴を修理・リペア依頼するメリット
日本総代理店へ製品を預けるため安心感が高い
修理部品がラコタハウスに無く本社から取り寄せなどの場合は、納期が長期になる可能性有り
修理部品がラコタハウスに無く本社から取り寄せなどの場合は料金も高額になる可能性がある
内容を直接問い合わせしたい場合
ザ・ラコタハウス青山 住所:東京都港区南青山6-12-14 NOA南青山1F TEL:03-5778-2010 営業時間:12:00~20:00 定休日:水曜日(祝日除く)
ザ・ラコタハウス丸の内 住所:東京都千代田区丸の内3-2-3 丸の内二重橋ビル1F TEL:03-6551-2203 営業時間:11:00~20:00 定休日:元日
ザラコタハウス大阪 住所:大阪府大阪市中央区北浜3-6-22 淀屋橋ステーションワン1F TEL:06-6210-2373 営業時間:12:00~20:00 定休日:水曜日(祝日除く)
ラコタハウス公式サイト・修理オーダーページからEメールかオフィシャルLINEで申し込み
他、全国のラコタハウス正規販売店でも受付
オールデン海外公式サイト:The Official Alden Shop – The Alden Shop
正規サービスより依頼がしやすく料金もお得な皮革製品修理専門店
オールデンの革靴を修理・メンテナンスしたい場合、正規サービスは基本製品を預かり後見積りになり料金が高額・納期も長くなるなどもろもろの理由から、他の依頼方法を探しているユーザーも多く、そういった場合は優秀で実績のある皮革製品修理専門店に依頼するのがおすすめです。
皮革製品修理専門店へ修理・メンテナンス依頼するメリットは、料金が正規サービスよりお得な事、修理内容について融通が利く事、納期も早めに仕上がる事が挙げられます。
逆にデメリットは、あくまでブランド正規の修理ではない事、修理店によって技術力に差があり、依頼先によっては仕上がりにバラツキがあることが難点です。
修理専門店によって料金はバラつきがありますが、修理・メンテナンスの料金平均相場を見てみます。
オールデンシューズ修理可能箇所 | ラコタハウス正規修理料金(概算・目安) |
---|---|
ソール交換 | 13,200円~(概算・目安) |
ヒール交換 | 6,050円~(概算・目安) |
靴全体磨き | 1,650円~(概算・目安) |
先革交換 | 2.200円~(概算・目安) |
スベリ直し | 3,850円~(概算・目安) |
トップライン補強(パイピング) | 2,420円~(概算・目安) |
その他 | 要見積り |
このような料金設定で、皮革製品修理専門店の場合、正規サービス・ラコタハウスよりも料金がお得で魅力的です。
納期の方も正規サービスだと基本製品預かり後連絡となりますが、基本約3~4週間で納品してくれるので、便利で利用しやすくなっています。
依頼の際、注意点としては、オールデンの革靴は高度な技術で製造され、素材も厳選された上質な天然皮革を使用しているため、良い評判と実績を持った優秀な修理専門店を選ぶ事が大切です。
オールデンの革靴を皮革製品修理専門店に修理・メンテナンスを依頼するメリット
敷居が低く気軽に相談依頼ができる
熟練した靴職人が在籍する修理専門店なら正規サービスと同質の仕上がりが期待できる
熟練し経験豊かな職人ならば作業内容も融通が利き優れた提案もしてくれるので安心
皮革製品修理専門店に修理・メンテナンスを依頼する場合優れた職人が在籍するお店を選ばなくてはいけない理由
スコッチグレインに限らず、高品質な有名ブランドの革靴を修理・メンテナンスする場合は、必ず優れた技術を持った職人が在籍する修理店を選ぶ事がとても重要になります。
なぜなら、皮革製品修理専門店はお店により在籍する職人の技術レベルが異なるため、技術や経験の浅い職人が作業を行うと、持ち込まれたバッグの状態を見極めることができず、作業・縫製の質が下がってしまい、満足する仕上がりにならないことが多い為です。
オールデン革靴の修理経験を豊富に持ち、優れた技術を備えた職人が作業を手掛ければ、劣化・傷んだ部分を購入時のような良好な状態に取り戻すことが可能です。
スコッチグレインの靴を正規サービス以外で修理したい場合優秀な技術を持つ皮革製品修理専門店の方がお得で安心
オールデンのように最高級馬革「コードバン」や厳選された各種天然皮革を使用し、熟練した職人によって高品質に仕上げられた革靴を、長年着用したことで壊れた個所の修理・メンテナンスしたい場合、通常はオールデンアメリカ本社・日本総代理店ラコタハウス・または全国のラコタハウス正規販売店などに依頼する事になります。
ですが、料金や納期などもろもろの事情から、正規サービス以外の依頼方法を探している方は、優秀な実績を持ち、経験値・技術の高い皮革製品修理専門店に依頼するのがおすすめです。
しかし、あくまでブランド正規の修理ではない事、修理店によって技術力に差があり、依頼先によっては仕上がりにバラツキがある為、良く調べた上で良質な修理店を見つける事が肝心です。
依頼後、仕上がりに不満の出ないよう、優秀な信頼の置ける皮革製品修理専門店を選択し、愛用のオールデン革靴を、良好なコンディションに復活させましょう。