腕時計のガラス面に曇りが出ている、ガラスの内側に水滴が発生したといった状況に陥ったことはないでしょうか?
そのまま放置してしまうと腕時計の内部に思わぬダメージが入ってしまうこともありますし、文字盤や針が腐食してしまい視認性を損なう恐れもあります。
もしもそうした現象が起きてしまった場合は早急に対策を講じる必要があります。
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結露してしまう原因は?
腕時計が結露してしまう原因として多いものは、外部との気温差によるもの、パッキンが劣化している、ガラスにキズや亀裂が入っている、などが挙げられます。
・外部との気温差で結露してしまう
これは腕時計に限った話ではありません。冬場で外気の気温が低く、家の中で暖房を入れていると窓ガラスが曇っている現象を見たことがあるかと思います。原理としてはこれと全く一緒です。
基本的に気温差によって生じる結露は一時的なものがほとんどですので、数時間程度で結露が消えるのであれば特に気にする必要はないと思われます。
ただ、長期間結露が消えない場合は気温差とは別の原因の可能性が高いので注意が必要です。
・パッキンが劣化している
パッキンはリューズや裏ブタ、ガラス、プッシュボタンなどの外装パーツとの間に入っており、水分やホコリ等の侵入を防いでくれるゴム状のパーツになりますが、パッキンも経年劣化で性能は低下してしまいます。
パッキンの劣化によりパーツ同士に隙間ができ、内部に湿気や水分が侵入してしまうことで結露が発生してしまいます。この状態になると結露は長期間続きますし、水分の量によっては曇りではなく水滴になってガラスの内側に付着することになります。
内部のムーブメントもサビますし、文字盤や針といった目に見える部分も腐食し、見栄えが悪くなってしまいます。パッキンの交換も自身で行うことは難しいので長時間結露が続く場合や水滴が発生している場合は早めに修理専門店に相談するようにしましょう。
・ガラスにキズや亀裂が入っている
ガラスも時計の内部への水分やホコリの侵入を防いでくれる外装パーツになります。キズや亀裂が入っていると耐久性が落ち、パッキン同様湿気や水分の侵入を許してしまう可能性があります。表面で文字盤や針に近いということもありますので注意が必要です。
ガラスにキズや亀裂が入ってしまった場合は基本的にはガラスの交換になりますのでこれもメーカーか修理専門店に相談してみましょう。
ダイバーズ時計のような防水時計でも結露するのか?
文字盤に○○Mと記載のある防水時計でも条件が揃えば結露は起こります。
ダイバーズ時計であっても経年劣化でパッキン等は劣化しますし、時計本体も年月が経てば耐久性や防水性能は落ちていきます。仮に防水性能がしっかりしている状態であったとしてもリューズを引いたままの状態で使用してしまえば湿気や水分が侵入します。ダイバーズ時計だから大丈夫だろうと過信して荒っぽく使用するのは危険だということです。
防水時計は内部に水が入りにくいような構造になっている時計のことで、内部に入ってしまった水分等は防水時計といえどうすることもできません。そうならないためにも記載してある防水性能、使い方を把握し、その範囲内で使用するようにしましょう。
結露が発生してしまった際の対処法は?
結露が発生してしまった場合の対処方法はいくつかあるので下記にご紹介はしますが、気温差で発生する結露以外は時計にとっては異常が発生している状態となります。
対処法と言っても基本的には応急処置であり一時的なものでしかないので結露が数日続く場合やガラス面に水滴が発生した場合はできる限り早く修理(オーバーホール)に出すことをお勧めします。
放置してしまうと内部で湿気や水分が残ったままになり、画像のようにケース本体やムーブメントを腐食させてしまいます。もちろんオーバーホールの料金も高額になりますし、最悪の場合は修理不能で時計として使用することができなくなってしまいます。
・乾燥剤を使用する
時計を数日間、乾燥剤と一緒に保管して湿気を吸収するという方法になります。
リューズを引いたままの状態にし、なるべく密閉された場所に時計と乾燥剤を一緒に入れることで内部に入ってしまった湿気を吸い取るのですが、これはあくまでも修理に出すことが前提の処置になります。
今すぐに修理店に持ち込むことができず、数日後に依頼しようと考えている方への対策ですので根本的な解決策ではないと思ってください。
・ドライヤーの熱風で乾燥させる
これも乾燥剤と同様の応急処置になります。ガラス面に大きな水滴が発生した場合や完全に水没してしまった場合など、より深刻な状態の場合のみに使う手段になります。
リューズを引いたままの状態にして時計本体とドライヤーの距離に注意しながら温風を当てるようにしましょう。髪を乾かすくらいの距離間がちょうどいいかと思います。
ただし、近距離で温風を当てるのはお勧めできません。時計の金属部分が熱を帯びてしまい、内部のムーブメントに悪影響を与えてしまう危険性があります。また、ガラスも高熱で割れてしまう可能性もあります。
内部にはかなりの量の水分が入っていますから翌日には修理店に相談に行くつもりで処置をした方が良いです。
・オーバーホール(分解清掃)を行う
気温差以外で結露が発生している場合の処置としてはオーバーホールが一番のお勧めの方法になります。内部に入っている湿気や水分を洗浄によって除去し、再度しっかりと組み立て・調整を行っていきます。防水テストやパッキンの交換も行いますので湿気や水分がどこから侵入したのかを調べて改善することもできます。
原因を追求して改善をしておかないと再度結露してしまう可能性もありますので、再発防止の観点から見てもオーバーホールを行うというのがベストであると言えます。
腕時計の曇り修理の費用は?
結露が発生してしまった場合は基本的に時計を分解し乾かす必要があります。
この場合オーバーホールになりますが、料金は時計のタイプや工房によって様々です。基本的にはメーカーより修理専門店の方が安く行なってもらえます。
以下は大凡の料金になりますので参考にしてみてください。
機械式3針 | 25,000円〜 |
機械式多針(クロノグラフ) | 35,000円〜 |
クォーツ(電池式時計)3針 | 9,000円〜 |
クォーツ(電池式時計)多針(クロノグラフ) | 12,000円〜 |
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まとめ
以上、時計の結露や水入りの原因と対処法についての説明になります。
腕時計にとって水気は大敵の一つとして挙げられます。気温差で結露が発生している以外は時計として異常が発生している可能性が高いです。今まで防水時計だから大丈夫と思っていた方、結露が出ても気にしていなかった方にも危険性はご理解いただけたかと思います。
誤って水に濡らしてしまった、衣服の中に入れっぱなしにして洗濯機で洗ってしまったという予期せぬトラブル等も起こります。仮に水没してしまったとしても応急処置をし、早めに修理に出せば直る可能性は高いということを覚えておくと良いです。