いまやファッションアイテムとして人気が高く、実用性も高い為必需品の鞄・バッグ類ですが、現在のバッグは素材も化学繊維・合成皮革・天然皮革や新たな新素材など多岐に渡り、デザインの多様化に伴いファスナー等の金具も様々なものが使われています。
一般的には鞄・バッグ類の開閉にはファスナーが多用されていますが、海外有名ブランドなど、凝った独自のデザインを持つ鞄・バッグに使われているのが、マグネットホックです。
マグネットホックは開閉が楽でデザイン的に凝ったものが作れる為、独自のデザインやブランド意匠を持つ海外高級ブランド製鞄・バッグに多く見受けられます。
その名の通り、開閉口を固定する為の原理にマグネット(磁石)を使用している為、メンテナンスが楽・複雑なデザインに対応できるなどのメリットがあり便利な部品です。
素材の磁石は永久磁石と呼ばれ、一聴するとメンテナンスが必要ないと思われがちですが、磁力は永久ではないので、長い年数使い込むと磁力が弱くなり、最悪の場合留まらなくなります。
また、マグネットホックを鞄・バッグの素材に縫い付けてある作りのバッグも多く、マグネットホック自体が本体から外れてしまう等のトラブルもあり、修理しなくてはならない事も多々あるので、トラブルが生じた場合、ほとんどが製造専門メーカーやブランド正規サービスに依頼する事になります。
またあえて製造専門メーカーやブランド正規サービスを利用せず、優秀な技術を持ち・評判の高い皮革製品修理専門店に依頼する人も多くおすすめの方法です。
ここでは、鞄・バッグのマグネットホックを修理する際の、製造専門メーカーやブランド正規サービス・皮革製品修理専門店の対応や作業内容、納期・料金などについて紹介します。
愛用している鞄・バッグのマグネットホックがトラブルに見舞われている方は、是非この機会に読んでみてください。
Contents
鞄・バッグのマグネットホックがトラブルになる原因・修理の作業内容
鞄・バッグのマグネットホックはハンドバッグや財布の被せ部分・鞄のポケット部分などに使用されていることが多く、ショルダーベルト・ハンドルについて使用頻度の高い部位になります。
ここからはマグネットホックのトラブルが起こる原因・修理の作業内容について見てみます。
- ホックの縫い付けがほつれる・または破れによってホック本体が外れる
鞄・バッグのマグネットホックは開閉の被せ部分・ポケット部などについていますが、多くのホックは素材の生地に縫い付けられている加工法が多いです。
この縫い付け部の糸がほつれてしまう・または生地が破けてしまい、マグネットホックが取れ掛けたり、外れてしまう事があります。
この場合、作業内容としてはほつれた糸を裁縫しなおす・ホックが外れてしまっている場合は縫い直し、また素材の革が破れている際は軽度のものは補修・重度の場合は素材の張り直し・ホック本体の取り換えを行います。
いずれも自分で作業するのはほとんどうまくい行かないので、製造専門メーカーやブランド正規サービス・皮革製品修理専門店に依頼してメンテナンスしてもらうのが無難です。
- マグネットホックの磁気が弱くなり開閉できなくなる
鞄・バッグのマグネットホックには永久磁石が使用されていますが、永久と名が付いていても磁力は経年劣化・スマートフォンやPCなど電気器具の影響などで、磁力が低下してしまうことがあります。
作業内容としては、専門の着磁器・電磁石などを使用し、磁力をある程度復活させることが可能です。
しかし、この作業は専門知識を要するので、専門の業者に任せた方が良いでしょう。
また、バッグに使用されているマグネット素材はアルニコ磁石が多いですが、この場合はより磁力の高い磁石(大型のネオジム磁石)などで復活させることができます。
ネオジム磁石は高価で取扱店が少ないので、これも専門の業者に依頼した方が良いです。
あと、磁石をカバーしているステンレス素材などがさび付いてしまい磁力が弱くなり例もあります。
これは、目の細かいサンドペーパーやサビ落とし剤などで慎重にクリーニングすると、磁力が戻る場合もあります。
さらに磁力の回復が困難な場合・ホックに破損などが見られる場合は、ホックごと交換になります。
いずれにしても、素人が個人で作業するのは却ってホックや素材を傷めてしまうので、製造専門メーカーやブランド正規サービス・皮革製品修理専門店に依頼してメンテナンスしてもらうようにしましょう。
鞄・バッグ製造専門メーカー・海外高級ブランドのマグネットホック修理の対応・料金・納期について
鞄・バッグの中でも職人による鞄・バッグ製造専門メーカーや、海外高級分ランド製のバッグは、マグネットホックに使われている素材や意匠の加工・デザインも非常に凝っており、簡単に代替の利かない物が多いです。
このようなメーカーが製造したバッグの場合は、ホックのトラブルが起きた際、直接鞄・バッグ製造専門メーカーや、所有しているブランドの正規サービスに依頼し、修理・メンテナンスをしたもらうのが普通です。
鞄・バッグ製造専門メーカー・ブランド正規サービスを利用するメリットは、修理メンテナンスの際、製造に使われた純正部品を使用する事、専門の職人が確実な作業でメンテナンスを行う、修理後のアフターが良い、等の理由があります。
また、デメリットとしては、ほとんどのブランドが製品預かり後見積り作業を行い、後に納期・料金を連絡するシステムを取っている為、事前に商才が確認できない事、また作業内容が特殊になる場合、納期が長く・料金も割高になる事が挙げられます。
ただ、一部のブランドでは公式サイトに目安料金を提示しているブランドもありますので、いくつかの例を見てみましょう。
- ルイヴィトンの場合
ルイヴィトン修理可能箇所 | 正規サービス修理料金(概算・目安) |
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スナップボタン交換 | 10,340円~(概算・目安) |
部分的な縫い直し | 20,900円~(概算・目安) |
その他 | 要見積り |
- シャネルの場合
シャネル修理可能箇所 | 正規サービス修理料金(概算・目安) |
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クラブ・スクラブ・ターンロック(開閉留め具)交換 | 18,480円~(概算・目安) |
その他 | 要見積り |
- 他ブランド・鞄製造専門メーカー・一般向け製造品
:ほとんどが製品預かり後見積りとなり事前確認は不可・納期も料金決定後連絡になる
このような対応になっており、ルイヴィトン・シャネルは目安料金について公式サイトに表示がありますが、他のブランド・鞄製造専門メーカー・一般向け製造品は、ほとんどが公式発表は無く、製品預かり後見積りによる連絡になっており、事前の確認はできません。
所有している鞄・バッグの修理・メンテナンスを、製造専門メーカーやブランド正規サービスに依頼する場合は、予算や納期に十分な余裕を持つことが大切です。
皮革製品修理専門店に鞄・バッグのマグネットホック修理・メンテナンスを依頼した場合の料金・納期は
愛用の鞄・バッグを製造専門メーカーやブランド正規サービスに修理・メンテナンスを依頼する以外に、愛用者の中には皮革製品修理専門店を利用する人も多数います。
製造専門メーカーやブランド正規サービスだと事前に料金・納期が分からない、また作業を進めてもらっても納期が長期間・さらに料金も高額になるケースが多い為、正規サービス以外の方法を取る際に、優秀な技術・評判の高い皮革製品修理専門店を選択するのがおすすめの方法です。
皮革製品修理専門店に鞄・バッグのマグネットホック修理・メンテナンスを依頼するメリットは、基本料金があらかじめ表記している修理店が多い事・納期も正規サービスより早く、格安な料金になる例が多い為です。
デメリットになる点は、皮革製品修理専門店はお店の数が非常に多い為、修理店に在籍する職人の技術によって仕上がりに差がある事が多く、慎重に店舗を選択する必要がある事が挙げられます。
理由として、経験の浅い・また技術力の低い職人が作業を手掛けてしまうと、製品の状態を的確に見極めることができず、満足のいかない仕上がりにならないことが多々見受けられる為です。
ですので、在籍している職人の力量など情報をできる限り集めて、慎重に検討を行い、できれば来店時に担当する職人と面談を行い、作業内容を細かく確かめておくことが必須となります。
では、皮革製品修理専門店の、マグネットホック修理作業料金の相場を調べてみましょう。
鞄・バッグ修理可能箇所 | 皮革製品修理専門店料金(概算・目安) |
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マグネットボタン交換 | 6,600円~(概算・目安) |
部分的な縫い直し | 5,500円~(概算・目安) |
その他 | 応相談・要見積り |
皮革製品修理専門店の場合、製造メーカーやブランド正規サービスと異なり、基本料金の目安が示されている修理店が多く便利で気軽に依頼が可能です。
納期も製造専門メーカーやブランド正規サービスだと、約1ヶ月~長い所ではかなりの長期間になるところもありますが、皮革製品修理専門店だと基本約3~4週間と早い納期になっています。
まとめ
鞄・バッグは使用している素材の加工や使用している部品により、特に海外高級ブランド製やバッグ製造専門メーカー製は職人が高度な技術を用いて製造・仕上げを行っており、独自開発の部品を採用、高い耐久性を誇っていますが、使用頻度の高さ・経年劣化による傷み等のトラブルは避けることができず、日常のお手入れはもちろん、定期的に修理・メンテナンスを施すことが必要です。
特に鞄・バッグの開閉に使用するマグネットホックは、長期間使用すると磁気が弱くなり、止まりにくくなる・縫い付け部がほどけたり、素材部が破けたりしてホック本体が外れてしまうなど、致命的なトラブルになる場合があります。
この場合通常は購入した製造メーカーやブランド販売ブティックを通じて、製造専門メーカー・ブランド正規サービスに依頼するのが無難です。
しかし、製造専門メーカー・ブランド正規サービスの場合、納期が長い・料金が高額になる例が多いなどの理由から、あえて正規サービス以外に優秀な技術・実績を持つ皮革製品修理専門店を利用する人も多く存在します。
皮革製品修理専門店は迅速な納期の早さ・格安な作業料金などメリットが高いですが、優秀な職人が在籍する修理店を選択しないと、満足のいかない仕上がりになる可能性もあります。
それぞれの長所・短所を十分踏まえた上で、要望に沿った修理店を選択するように心がけましょう。