昔から現在まで、旅行や外出・ビジネス用まで様々な用途に使用され、構造やデザインなど時代に応じて進化を遂げてきた鞄・バッグですが、使われている素材も古くからの天然皮革に加え合成皮革・化繊素材等、異なる種類の素材が開発・採用されています。
また本体の耐久性も昔に比べ現代は格段に進歩が見られ、特に鞄製造専門メーカー・海外高級ブランドの製品は価値の高い高級な素材や新開発の素材が使用されることで、高品質になっています。
しかし、どのような素材が使われていても、使用頻度が高い鞄・バッグの性格上、経年劣化や使用の仕方などでトラブルが起こる事は避けることができず、長く愛用するためには日常からのこまめなお手入れが必要です。
ですがお手入れが施されている鞄・バッグでも傷みや破損などは完璧に防止することはできません。
特に厄介なトラブルが天然皮革・合成皮革などに多く見られる、本体に傷（ひっかき傷・ひび割れ）などが付き、外観を損ねるばかりか素材の耐久性も劣化する症状です。
これらのトラブルは主に使用している間に付着した汗や水分が乾くことで、素材の油分が抜けてしまい、経年劣化を早めてしまう・また外部からの衝撃などで傷を付けてしまうのが主な原因になります。
こういった際、自分で修復するのはかなり難しく、その場しのぎ・あるいは症状を悪化させてしまうので、製造専門メーカーや正規ブランドサービスに依頼して直してもらうのが無難です。
またあえて製造専門メーカーやブランド正規サービスを利用せず、優秀な技術を持ち・評判の高い皮革製品修理専門店に依頼する人も多くおすすめの方法になります。
ここでは、鞄・バッグのひび割れ・ひっかき傷を修理する際の、製造専門メーカーやブランド正規サービス・皮革製品修理専門店の対応や作業内容、納期・料金などについて紹介します。
愛用している鞄・バッグのひび割れ・ひっかき傷でお悩みの方は、是非この機会に読んでみてください。
Contents
鞄・バッグのひび割れ・ひっかき傷の症状や原因・修理の作業内容について
鞄・バッグのひび割れ・ひっかき傷はいくつかの要因があり発生します。
ここからは鞄・バッグのひび割れ・ひっかき傷の主な原因や修理の作業内容について見てみましょう。
- 人間の汗によるダメージ
特に鞄・バッグのハンドルに多い症状ですが、使用する人の汗が素材に染み込んでしまい、汗に含まれる塩分が素材を脆くしてしまい、ひび割れを起こす原因になります。
解決するには、自分で修理を行う人もいますが、一時しのぎになってしまい却って症状を悪化させる恐れがありますので、専門技術を持つ業者にお願いするのが得策です。
作業内容としては、ひび割れ部分の補修と専用パテによる補修・塗りなおし・重度の場合は芯材や素材を取り換えることになります。
- 経年劣化などで素材の油分が抜ける
天然皮革や合成皮革等の場合、繊維と繊維の間に油分があり、日常のお手入れを怠ったり、経年劣化が進むと素材に含まれる油分が抜けてしまい、耐久性が劣化する事でひび割れが起きます。
これは汗によるダメージと同じく、専門技術を持った業者にお願いするのが確実で、作業内容もひび割れ部分の補修と専用パテによる埋め込み・塗りなおし・重度の場合は芯材や素材を取り換えになります。
- 日光によるダメージ
天然皮革や合成皮革は紫外線を含んだ光によって劣化しやすくなります。
紫外線を長期間浴びせすぎると素材の表面が硬くなり、ひび割れしやすく、さらに切れやすくなりひっかき傷も起こしやすくなります。
これも自分で修理を行うのは危険で、専門技術を持った業者に任せた方が良いです。
作業内容もひび割れ部分の補修と専用パテによる埋め込み・塗りなおし・重度の場合は芯材や素材を取り換えになります。
また、ひっかき傷の原因は外的要因によるものがほとんどで、ぶつけてしまったり、硬いものに擦ってしまうとすぐにひっかき傷になります。
これも放置しておくと素材を大幅に傷めてしまうことになるので、専門の業者に依頼するべきです。
作業内容は専用パテを使用した埋め込み・塗りなおしになり、重症のものは素材交換もあります。
鞄・バッグ製造専門メーカー・海外高級ブランドのひび割れ・ひっかき傷の修理対応・料金・納期について
鞄・バッグの中でも職人による鞄・バッグ製造専門メーカーや、海外高級分ランド製のバッグは、高級な天然素材やオリジナルの技術による合成皮革・化繊素材などが使用されています。
このようなメーカーが製造したバッグの場合は、ひび割れ・ひっかき傷が発生した場合、直接鞄・バッグ製造専門メーカーや、所有しているブランドの正規サービスに依頼し、修理・メンテナンスをしたもらうのが確実です。
鞄・バッグ製造専門メーカー・ブランド正規サービスを利用するメリットは、修理メンテナンスの際、製造に使われた純正部品を使用する事、専門の職人が確実な作業でメンテナンスを行う、修理後のアフターが良い、等の理由があります。
また、デメリットとしては、ほとんどのブランドが製品預かり後見積り作業を行い、後に納期・料金を連絡するシステムを取っている為、事前に詳細が確認できない事、また作業内容が特殊になる場合、納期が長く・料金も割高になる事が挙げられます。
そのため、所有している鞄・バッグの修理・メンテナンスを、製造専門メーカーやブランド正規サービスに依頼する場合は、予算や納期に十分な余裕を持つことが必須です。
記事参照：エルメス公式サイト・メンテナンスと修理
皮革製品修理専門店にひび割れ・ひっかき傷の修理・メンテナンスを依頼した場合の料金・納期は
愛用の鞄・バッグを製造専門メーカーやブランド正規サービスに修理・メンテナンスを依頼する以外に、愛用者の中には皮革製品修理専門店を利用する人も数多く存在します。
製造専門メーカーやブランド正規サービスだと事前に料金・納期が分からない、また作業を進めてもらっても納期が長期間・さらに料金も高額になるケースが多い為、正規サービス以外の方法を取る際に、優秀な技術・評判の高い皮革製品修理専門店を選択するのがおすすめです。
皮革製品修理専門店に鞄・バッグのひび割れ・ひっかき傷の修理・メンテナンスを依頼するメリットは、基本料金があらかじめ表記している修理店が多い事・納期も正規サービスより早く、格安な料金になる例が多い為です。
デメリットになる点は、皮革製品修理専門店はお店の数が非常に多い為、修理店に在籍する職人の技術によって仕上がりに差がある事が多く、慎重に店舗を選択しなくてはいけない事が挙げられます。
理由は経験の浅い・また技術力の低い職人が作業を手掛けてしまうと、製品の状態を的確に見極めることができず、満足のいかない仕上がりにならないことが多々見受けられる為です。
ですので、在籍している職人の力量など情報をできる限り集めて、慎重に検討を行い、できれば来店時に担当する職人と面談を行い、作業内容を細かく確かめておくことが重要になります。
では、皮革製品修理専門店の、ひび割れ・ひっかき傷修理作業料金の相場を調べてみましょう。
| 鞄・バッグ修理可能箇所 | 皮革製品修理専門店修理料金（概算・目安） |
|---|---|
| ひび割れ | 小さなひび（部分補修/パテ修復等）・1,500円～：全体補修・塗りなおし・素材交換等・13,500円～（概算・目安） |
| ひっかき傷 | 規模が小さいもの（補修/パテ修復等）・3,000円～：規模が広範囲なもの（全体補修・塗りなおし等）15,000円～ |
| その他 | 応相談・要見積り |
このように、皮革製品修理専門店の場合、製造専門メーカーやブランド正規サービスと異なり、基本料金の目安が示されている修理店が多く便利で気軽に依頼する事ができます。
また納期も製造専門メーカーやブランド正規サービスだと、約1ヶ月～長い所ではかなり長くなるところもありますが、皮革製品修理専門店だと基本約2～3週間と早い納期で便利です。
まとめ
合成や天然皮革・化繊素材など様々な素材を使い、型紙から裁断・縫製されている鞄・バッグですが、特に海外高級ブランド製やバッグ製造専門メーカー製は職人が高度な技術を用いて製造・仕上げを行っており、高い耐久性を誇っています。
しかし使用頻度の高さ・経年劣化による傷み等のトラブルは避けることができず、日常のお手入れはもちろん、定期的に修理・メンテナンスを施すことが必要です。
長く使用していると鞄・バッグのひび割れやひっかき傷は避けることができない症状で、放っておくとバッグ・鞄のコンディションが悪化し、バッグ自体を傷めてしまいます。
こうした場合、通常は購入した製造メーカーやブランド販売ブティックを通じて製造専門メーカー・ブランド正規サービスに依頼するのが確実です。
しかし、製造専門メーカー・ブランド正規サービスの場合、納期が長い・料金が高額になる例が多いなどの理由から、あえて正規サービス以外に優秀な技術・実績を持つ皮革製品修理専門店を利用する人も多く存在します。
皮革製品修理専門店は迅速な納期の早さ・格安な作業料金などメリットが高いですが、優秀な職人が在籍する修理店を選択しないと、満足のいかない仕上がりになる可能性もあります。
それぞれの長所・短所を十分踏まえた上で、要望に沿った修理店を選択するように心がけましょう。
