2026.11.5

2026.11.5

クラフトワーカーズがついに機械式振り子時計を作ります。

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時計

クラフトワーカーズでついに機械式振り子時計の製作プロジェクトが始まります。

振り子時計には、腕時計にはない大きな機械ならではの迫力があります。大きな振り子がゆっくりと往復し、その動きに合わせて歯車やさまざまな部品が連動して動く。機械そのものが目の前で時を刻む姿は、振り子時計ならではの魅力です。

さらに、もう一つの魅力は長く使い続けられることです。機械式時計は部品が摩耗しても、修理や交換、調整を行うことで再び動かすことができます。実際に、100年以上前に作られた振り子時計が今も修理されながら動いている例は数多くあります。

現代は電池を入れれば自動で動き、壊れれば修理するよりも買い替えることが選ばれやすい時代です。しかし、便利さや効率を追い求める中で
「モノを大切にする」
という感覚を少しずつ手放していないでしょうか。

ゼンマイを巻き、時計に気を配り、必要に応じて修理しながら使い続ける。そうした手間は、「不便」とは違うものです。手間をかけることで愛着が生まれ、時間とともに時計との関係が深まっていく。私たちは、そんな時計とのあり方を大切にしたいと考えています。

今回の企画では古い時計に蓄積された知恵と、現代の作り手が持つ技術をもとに、使い続けることで愛着が深まり、修理しながら次の世代へ受け継いでいける機械式振り子時計を製作します。

かつて日本では機械式振り子時計が盛んに作られていましたが、現在では国内での量産はほぼ行われていません。だからこそ、この取り組みを日本での機械式クロックづくりを再び広げていく第一歩にしたいと考えています。

・企画者・職人紹介
企画者:松本匡平

職人さんとお客様をインターネット上で直接つなぐ職人紹介プラットフォーム「クラフトワーカーズ」のCEOを務めています。

2001年から専門学校ヒコ・みづのジュエリーカレッジに3年間在籍し、卒業後も研究生として1年間学校に残り鋳造を学びました。

その後WEBを使った国内外の時計販売社に勤務していた際、自社で修理していると案内されながら、実際は外部の修理会社へ委託されている現状に違和感を抱いたことがきっかけに、職人さんと顧客が直接顔の見える関係で安心して取引できる仕組みを目指し、2019年にサービスを開始しました。

サービスを行っている中で時々、機械式振り子時計の依頼があり調べて見ると現在日本では機械式振り子時計の生産が行われていない状況でした。

かつて日本国内には50社以上の時計製造会社が存在し、盛んに機械式掛け時計・置き時計が作られていましたが、時代の流れとともにその姿を消し、現在では国内での量産はほぼ行われていません。

しかし、電池式(クォーツ式)にはない機械式振り子時計ならではの魅力は、今なお多くの人を惹きつけています。

だからこそ、あえて「国内での機械式振り子時計作り」に挑戦することには、技術の継承だけでなく、新しい市場を開拓する大きな価値があると思い取り組んでいます。

企画者:長谷川 修

マーケティングとエンジニアリングの知識を生かし、職人と使い手をつなぐ修理マッチングサービス「クラフトワーカーズ」を企画・運営しています。

目指しているのは、壊れたものを捨てるのではなく、直しながら使い続けるという考え方を社会の自然な選択肢として広げることです。

修理を必要とする人だけでなく、技術を受け継ぎ、手を動かす職人をはじめ、ものを長く使う営みに関わる人たちを支えることが、私たちの役割だと考えています。

個人では、アンビエントミュージックやアンビエントジャズを制作しています。

エリック・サティが構想した「家具の音楽」のように、強く主張せず、空間の一部として自然に存在する「消費されない音楽」を志向しています。

新しいものが生まれるたびに、それまでのものが価値とは関係なく押し流されていく現代において、手をかけ、時間を重ねることで関係が深まるものや営みを提示したいと考えています。

かつて暮らしの中心にあった手仕事や小さな共同体の知恵を、ただ懐かしむのではなく、現代の技術や価値観と結び直す。

マーケティングやエンジニアリングを、効率よく消費を促すためではなく、作り手と使い手の距離を近づけ、長く残る選択肢を育てるために使いたいと思っています。

職人:渡辺航生

22歳の時計職人です。現在は独立して自分一人で機械式振り子時計を作っています。

2歳の頃から時計が好きで、小学生の頃には独立時計師の菊野昌宏氏に連絡を取り、同じように独立時計師を目指すようになりました。

高校卒業後は菊野氏も卒業した時計学校、ヒコ・みづのジュエリーカレッジに入学し、3年間にわたって腕時計の修理を学び、卒業後も研究生として1年間学校に残り機械式振り子時計「Hourglass」を製作しました。

もともと現代の機械式振り子時計が好きでしたが、次第に古時計が持つ独特の雰囲気や、長い年月を経て残ってきた魅力に惹かれるようになりました。現在は250台を超える古時計を収集しており、所有する時計の修理はもちろん、お客様から時計を預かり、修理を行うこともあります。

2024年には、高級時計専門誌『クロノス日本版』に時計愛好家として自身のコレクションとともに紹介されました。

今回のプロジェクトでは、これまで数多くの古時計を実際に見て、使い、修理し、製作してきた経験をもとに、自分が考える機械式振り子時計を形にしていきます。

長い年月を受け継がれてきた時計の構造や、そこで培われてきた技術を大切にしながら、自分自身の経験を設計に落とし込んでいくというのが私の目標とする時計です。

職人:矢内大晴

20歳の大学生です。現在、芝浦工業大学で機械工学を学んでいます。

私が時計に興味を持ったのは幼少期の頃です。もともとは現代の時計から古い時計まで幅広く興味を持ち、時計の収集を始めました。両親に全国の時計博物館や資料館へ連れて行ってもらい、さまざまな時計を実際に見てきました。

その中でも、機械部品が重なり合いながら動く迫力や、百年以上の時を経てなお動き続ける機械、そして長い年月を経て生まれた古艶(パティナ)のある外装が持つ風格に魅了され、古時計の収集へと興味が移っていきました。

現在は、1780年代から1970年頃までに作られた振り子時計を約70点所有しています。王侯貴族向けに作られた当時の最高級品から、広く普及した大量生産品まで幅広く収集しており、単に保管するのではなく、実際にそれらの時計を動かし、時計とともに生活しています。

また幼い頃から時計を分解、組み立てに取り組み、中学から高校時代には行きつけのアンティークショップで振り子時計の修理をアルバイトとして経験しました。時計の理論や修理技術についても、書籍や文献、インターネット上の資料などを読みながら独学で学んできました。

こうした経験を重ねる中で、高校時代から機械式時計の設計を仕事にしたいと考えるようになりました。伝統的な技法や構造を受け継ぐだけでなく、そこに新しい機構や構造を取り入れ、機械式時計をさらに進化させたい。そして、時計の知識だけでなく、機械工学の側面から時計を設計したいと考え、機械工学を学ぶ道を選びました。

今回はこれまで実際に分解・修理してきた時計や、幅広いコレクションに搭載されているさまざまな機構・構造を参考にしながら、大学で学んでいる機械工学の知識も生かして設計に挑戦します。

これまでの経験だけに頼るのではなく、機械工学の知識も取り入れながら、理論に基づいた設計を目指します。

伝統的な振り子時計の魅力を大切にしながら、新しい機構や構造を取り入れ、現代の生活に合わせてブラッシュアップするというのが私の目指す時計です。

・現代の暮らしの中で使える振り子時計へ

昔ながらの振り子時計をそのまま現代の生活に落とし込むだけでは、使う人によって気になる部分もあります。

そこで私たちは、振り子時計が持つ大きな機械ならではの迫力と、長く使い続けられる魅力を大切にしながら、現代の暮らしの中でも使いやすい時計を作りたいと考えました。

今回のプロジェクトでは、二人の設計者がそれぞれ一つずつムーブメントを設計・製作し、互いの意見を取り入れながら最終的に一つの時計を完成させます。

渡辺:古時計から受け継いだものを、次の世代へ。

渡辺はこれまで数多くの古時計を収集・修理した経験を通して、長い年月を経ても動き続け、必要なときには修理や調整をすることで、さらに長く使われていく機械式時計の魅力を感じてきました。

今回の時計では、古時計が長い年月をかけて完成されてきた機構を深く学び、その良さを現代にもう一度形にすることを目指します。

新しい機構を生み出すことを目的とするのではなく、実際に長く使われてきた機構を大切にし、修理しながら使い続けられる時計を作ります。

矢内:受け継いだ機械を、現代の暮らしへ。

矢内はこれまでさまざまな振り子時計を収集・修理し、実際に時計とともに生活する中で感じてきた振り子時計の魅力を残しながら、現代の暮らしの中では、さらに使いやすくできる部分があると考えています。

そこで、古時計のさまざまな機構や構造を参考にしながら、機械工学の知識も取り入れ、現代の生活に合わせて振り子時計を再設計することを目指します。

特に精度や静かさなど、現代の生活で重要になる部分についても見直していきます。

・これから

まだこの時計は完成していません。

これから設計を行い、部品を一つずつ作り、組み立て、完成させていきます。

二人がそれぞれ設計する二つのムーブメントがどのような形になっていくのか。
そして、そこからどのように一つの時計が生まれていくのか。

これからのブログでは、時計が完成するまでの過程を月に一度を目安に紹介していきます。

図面ができたとき、部品が完成したとき、初めて時計が動いたとき――
時計が少しずつ形になっていく過程も、このプロジェクトの一つの楽しみだと考えています。

クラフトワーカーズの振り子時計が、どのように生まれていくのか。

ぜひ、これからの製作過程も見届けていただければと思います。

次回は、二人がそれぞれどのような時計を設計するのか、その設計思想、構造を

より詳しく紹介します。

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