2022.6.15

2022.6.15

時計修理技能士とは?オーバーホールはどんな人に頼むのが良い? 時計修理の資格の内容や種類・技術の高さについてを詳しく説明します。

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知識
1級時計修理技能士

近年、機械式腕時計の魅力が見直され静かなブームになっていますが、機械式腕時計の魅力はその精巧な作りとメカニズムの複雑さ、モノとして所有する喜びが大変高いことが理由です。

クォーツ式時計のように電池交換で駆動するのではなく、ゼンマイの巻上げによって永久に駆動し続ける事にロマンと憧れを抱く人が多く存在することが、機械式腕時計が注目を浴びている要因になっています。

事実、一流と呼ばれる腕時計ブランドは常に機械式腕時計の開発・製造に並々ならぬ情熱と熱意を持って取り組み、数々の名器と呼ばれる一生愛用するに値する製品を世に送り出しています。

しかも、機械式時計は500年以上に及ぶ長い歴史を持ち、優れた時計職人が生み出した革新的技術は現在まで受け継がれ、常に進化を止める事はありません。

しかし、全ての動作を複雑・精巧に作られたメカニズムの力で行う機械式腕時計は、定期的にメンテナンスを行うという宿命があり、腕時計について正確な知識と高度な技術を持った職人の手によって調整・点検・部品交換を施す事が必須となり、これについては専門業者へ依頼することになり、手間と時間が必要です。

大多数の人々は製造元の時計ブランドに手をゆだねるケースがほとんどですが、時計の修理・点検を専門に行う業者も数多くあり、優秀な修理職人が多数存在します。

その多くが資格を取得している者で、あまり注目されていない事実ですが、時計を修理・点検・メンテナンスする者に向けて、専門資格が設けられています。

総称して時計技能士といい。その技術力の高さや知識の深さによって種類・ランクがあり、国家資格もあり取得する事は難度が高い資格です。

ここでは時計修理技能士が取得する資格の種類・ランク等について、詳しく紹介していきますので、機械式時計を所有・愛用している方には是非とも知ってもらいたい内容ですので、目を通していただくことをおすすめします。

時計技能士の種類とはどのくらいあるか

では、時計技能士とはどのような資格で、その種類・ランク・技術の高さにはどのような違いがあるのでしょうか。

まず、一番知名度が高い資格は国家資格である時計修理技能士で、3級・2級・1級とランクがあります。

次がWOSTEP(ウォステップ)で、こちらはスイスのヌーシャテルに本校を置く時計学校の略称を指し、卒業認定を受けるとWOSTEP certificateという認定ライセンスが交付されます。

続いて、信州匠の時計修理士は長野県時計宝飾眼鏡商業協同組合が2004年から主催・運営している認定資格で、認定証は長野県知事より発行されるものです。

いわて機械式時計士は、岩手県が創設した技能評価認定制度に基づき、機械式時計の修理に関する技能評価を行う資格で、合格証は岩手県知事から発行され、この資格には3つのランクがあり、2級・1級・IWマイスターの3つがあります。

これら4つに大別される時計技能士の資格について、詳しく順を追って紹介していきましょう。

1.時計修理技能士

1級時計修理技能士

時計修理技能士はここで紹介する資格の中で唯一の国家資格で、知名度は一番高いでしょう。

名称独占資格であり、資格取得者以外がこの呼称を名乗ることは法律で禁じられており、権威の高い資格です。

3級から1級まで資格は3段階に分かれており、3級が一番下のランクで、中位の2級、そして最上資格の1級となります。

学科試験と実技試験に別れ、学科試験は

  • 時計
    1. 時及び報時
    2. 時計の種類
    3. 時計の主要部分の種類、構造、機能及び用途
  • 時計の附属装置及び附属品の種類、構造、機能及び用途
  • 時計修理法
    1. 時計修理用の機械及び器工具の種類、用途及び使用方法
    2. 時計及び時計部品の修理方法
    3. 年差及び月差の調整方法
    4. 時計の性能検査
    5. 表面処理
  • 機械要素
    1. 機械の主要構成要素の種類、形状及び用途
  • 材料
    1. 時計修理用材料の種類、性質及び用途
    2. 時計に使用される非金属材料の種類、性質及び用途
    3. 金属材料の種類、性質及び用途
    4. 金属材料の熱処理
    5. 磁性材料の種類、性質及び用途
  • 電子及び電気
    1. 電子回路用部品の種類、性質及び用途
    2. 電気用語
  • 安全衛生
    1. 安全衛生に関する詳細な知識

の中から等級に合わせた問題が出題されます。

実技試験は等級ごとに求められる実技が異なり、受験する等級に合わせた技術が試されます。

時計修理技能士 3級

腕時計修理の資格として登竜門といえる資格が腕時計修理技能士 3級で、実務経験が6ヶ月以上あるものに受験資格が与えられます。

学科試験と実技試験があり、学科試験は 真偽選択法で問題数:30問、時間:1時間となっています。

実技試験は、アナログ水晶腕時計(バンド付き)の裏ぶたの開閉、裏ぶたパッキンの交換、電池の選択、電池セット、電池電圧・歩度測定、バンドの取外し・取付け、バンドのこま詰め、時刻合わせ、カレンダー合わせ及び包装を行うとなり、試験時間は1時間15分です。

合格基準は100点満点で60点以上となっており、時計店で十分な作業をこなしている者は合格しやすいです。

時計修理技能士 2級

ある程度の経験を実務で積んでいる者が、ランクアップとして受験するのが腕時計修理技能士 2級で、実務経験2年以上を有する者、又は3級合格者が受験資格になっています。

同じく学科試験と実技試験があり、学科試験は真偽選択法及び四肢択一で問題数:50問、時間:1時間40分になっています。

実技試験は、アナログ水晶腕時計(振動数32768Hz、中3針、日・曜カレンダー機能付き)の分解、部品交換(巻真)、洗浄、組立て、注油、調整及び測定を行い、指定された要求精度及び要求事項の範囲内におさめるとなり、試験時間は4時間です。

合格基準は100点満点で60点以上となっており、ある程度の実務経験と知識が無くては合格は難しいです。

時計修理技能士 1級

時計の修理資格としてトップに位置する資格で、時計修理技能士では一番難易度の高い資格になります。

実務経験7年以上、又は3級合格後4年の実務経験、2級合格後2年の実務経験を有する者であることが受験資格です。

学科試験と実技試験があり、学科試験は 真偽選択法及び四肢択一で問題数:50問、時間:1時間40分となっています。

実技試験は、課題① アナログ水晶腕時計〔振動数32768Hz 、太陽電池付き、中3針、24時針、日針(日付)、曜針(曜日)、の各機能付き〕の分解、部品交換(巻真)、洗浄、組立て、注油、調整及び測定を行い、指定された要求精度及び要求事項の範囲内におさめる。

課題② 機械式腕時計[自動巻、中3針、日針(日付)、曜針(曜日)、の各機能付き]の分解、洗浄、組立て、注油、調整及び測定を行い、指定された要求精度及び要求事項の範囲内におさめるとなり、試験時間は4時間30分です。

合格基準は100点満点で60点以上となっており、高度な技術と豊富な専門知識・修理作業に対する適応力の高さがないと、合格するのは難しい狭き門です。

試験合格後は、等級に応じて技能士の称号が授与されます。

認定証の店舗内掲示、名刺・ホームページへの資格名掲載等が許されます。

等級の非表示・等級表示位置の誤り・正式職種名の省略等は不可となり、許されていません。

時計修理において唯一の国家資格であり、名称独占資格であることから、技術者としての信頼度は特に1級資格取得者は得るものが多く大きな信用につながります。

2.WOSTEP(ウォステップ)

機械式時計のWOSTEPウォステップ認定書

世界最大規模の時計技術者育成プログラムであるWOSTEP(ウォステップ)は、スイス機械式時計の高い技術水準の保持を目的とし、スイス・ヌー­シャテルに本部を置く時計技術専門のトレーニングセンターで卒業認定を受けたものだけが名乗る事のできる資格です。

正確にはWOSTEP certificateが認定証に記載される資格名です。

WOSTEPの卒業最終試験を受験するには通算3,000時間の基礎トレーニングが必要で、3年以内で5回のテストに合格している必要があり、その時点でようやく最終試験の受験資格を得ることができます。

WOSTEP最終試験は年1回実施され、理論試験が一日・実技試験が2日間行われ、実技試験は3種類の故障箇所が伏せられた機械式時計を用意し、修理実技を行います。

時間内に修理作業を終了する事・パーツの欠損、破壊が無い事・ 作業終了後、修理した時計が38時間正確に動作している事が最低条件です。

合格したものにはWOSTEP認定書が授与され、WOSTEP certificate を名乗ることができます。

WOSTEPは民生資格で、機械式時計しか実技試験を行っていないので、時計専門店に勤務する者より修理専門店や個人時計師が取得している例が多いです。

3. 信州 匠の時計技師

信州 匠の時計技師

信州 匠の時計技師は国内時計メーカーの工場が多い長野県にある、長野時計宝飾眼鏡商業協同組合と長野県が設けた、技能評価認定制度に基づき2004年から主催・運営を行っている技能認定資格です。

資格は匠3級・匠2級・匠1級・匠A級と分かれており、完全に機械式時計に特化した資格で、A級を除いて特に受験資格の制限は設けていません。

A級の受験資格は匠1級を合格した者に限ります。

しかし、合格するには国家技能検定1級程度の実力が必要といわれており、月1~2回半年間のペースで行われている事前講習を各級受講し、匠3級から匠1級までは学科試験と実技試験、匠A級に関しては実技試験のみ実施されます。

匠1級と匠A級2つ合格した者は特級として認定されます。

3級から1級で実施される学科試験は国家技能検定に準じた問題で、筆記問題(〇×式・及び選択式)になり、級に応じて50~100問出題です。

合計100点中、65点が合否ラインとなっています。

実技試験のみ、等級に分かれた内容の異なる試験になっており、内容はこのようになります。

匠3級

  • ムーブメントの分解、組立、調整 ※分解時、テンプはヒゲ持ちからクサビを外して分解、組み立てすることが必須

<提出時計の要求精度> 日差: DU 0~+20秒以内

  • ガラス交換(UV接着剤による)
  • 外装研磨(ベルト・裏蓋)
  • 工具整備(ドライバー先端修正、ピンセット先端修正

匠2級

  • ムーブメントの分解、組立、調整 ※分解時、テンプはヒゲ持ちからクサビを外して分解、組み立てすることが必須
  • ムーブメントの不具合箇所の検出、修理(5~6箇所)

※不具合には変形したヒゲゼンマイの修正が必須となる

<提出時計の要求精度> 日差: DU 0~+20秒以内、最大姿勢差: T0(全巻時)とT24(24時間経過後)の12時上を除く計10姿勢の最大姿勢差 20秒/日以内

  • 工具作成(さぐり棒)
  • 外装研磨(ケース・ベルト・裏蓋)
  • ガラス交換(UV接着剤による)
  • 制限時間:6時間

匠1級

  • テンプ組み立て ※天真、テンワ、ヒゲゼンマイ、振り座の個別パーツを組み立て、ヒゲの時間出し長さ調整、外端クセ付けを行う
  • ムーブメントの分解、組立、調整 ※上記で組み立てたテンプを用いる
  • ムーブメントの不具合箇所の検出、修理(5~6箇所)

<提出時の要求精度> 日差: DU +5~+15秒以内、 最大姿勢差: T0(全巻時)とT24(24時間経過後)の12時上を除く計10姿勢の最大姿勢差 15秒/日以内

  • 工具作成(エグリ棒)
  • 外装研磨(ケース・ベルト・裏蓋)
  • ベルト故障修理
  • ガラス交換(UV接着剤による)
  • 制限時間:7時間

匠A級

  • テンプ作成 ※天真、テンワ、ヒゲゼンマイ、振り座の個別パーツを組み立て、ヒゲの時間出し長さ調整、外端クセ付けを行う
  • ムーブメントの分解、組立、調整 >※上記で組み立てたテンプを用いる
  • 精密調整

※擬似内端カーブを要求仕様に沿って設定する、ヒゲゼンマイの形状を要求仕様どおり設定する

<提出時の要求精度>

  • 日差: 12時上を除く5姿勢の日差を実測して、その平均が-4~+6秒以内  
  • 最大姿勢差: T0(全巻時)とT24(24時間経過後)の12時上を除く計10姿勢の最大姿勢差 10秒/日以内
  • 制限時間について: A級では極めて高い次元での精密調整が求められているため、通常の試験形式ではなく、一定期間内(1カ月程度)に課題を完成させて提出する方式になっています。

試験合格者には長野県知事より発行された資格認定証が授与され、認定証の店舗内掲示、名刺・ホームページへの資格名掲載等ができるようになります。

信州 匠の時計技師はかなり厳密な資格認定ラインを設けており、技術ランクとしては非常に高いものがあります。

難点は、あくまで自治体認定資格なので、ステイタスの面で不利なことは否めません。

4. いわて機械式時計士

いわて機械式時計士

いわて機械式時計士は、岩手県が創設した技能評価認定制度に基づき、機械式時計の修理に関する技能評価資格になります。

資格等級は3つに分かれており、2級・1級・IWマイスターです。

受験資格は2級に関しては不要、1級は当該技能評価2級合格後、1年以上経過した者・又は国家検定時計修理作業1級技能士・2級技能士保有者になっています。

さらにIWマスターは当該技能評価1級合格後、2年以上経過した者・又は国家検定時計修理作業1級技能士保有者となっています。

試験内容は2級が実技試験/2時間30分・学科試験/1時間30分、1級が 実技試験/5時間・学科試験/2時間、 IWマイスターが実技試験/7時間・実技面接(故障診断)試験/30分、1人・学科試験/4時間です。

ちなみにIWマスター試験で実施している実技面接(故障診断)試験とは、実技試験課題の中で回答した故障診断を基に内容の説明及び質疑・応答を行う試験の事を指します。

技能試験に合格すると岩手県知事が認定した合格認定証が授与され、 認定証の店舗内掲示、名刺・ホームページへの資格名掲載等ができるようになります。

いわて機械式時計士は機械式時計に特化した資格なので、 個人の時計技能士などに資格を持っている人が多いです。

難点は、信州 匠の時計技師と同じく、あくまで自治体認定資格で、ステイタス面で不利であるといえます。

時計技能士の資格はそれぞれに特徴・ポイントを有する

時計技能士の資格は大きく分けると上記の4つになり、それぞれの資格が大きな特徴と、メリットやポイントになる点を持っています。

腕時計修理を仕事としている者にとっては、唯一の国家資格である時計修理技能士はステイタス、外部からの信頼度が高い資格として役立ちます。

ですが、他の時計技能士資格の合否ラインや試験内容を鑑みると、本当に役に立つ等級は1級時計修理技能士になるといえ、この資格を取得する際には1級合格が必須となるでしょう。

一方、WOSTEP(ウォステップ)・信州 匠の時計技師・いわて機械式時計士は受験資格や合否ラインの設定が高レベルで、技術士としては取得を刺激される資格です。

しかし、いずれの資格も民生・自治体認定資格で、プロの仕事としてステイタスを持つには不利な面が否めません。

ただ、資格取得はあくまで時計技能士としての肩書きなので、実際の業務は試験よりも複雑で困難なケースが多く、そこには時計技師としての高い経験値や試験以外による知識も必要になり、もし、時計を修理・メンテナンス依頼する際にどのお店に頼んだら良いかの是非は、実際に時計技能士と会話することが重要です。

その際、参考まで、上記の資格を持っている技能士は依頼する信頼度が高いといえますので、是非参考にしてみて下さい。

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