2024.10.24

2024.10.24

時計のリューズの構造は?どう使うの?

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知識
サブマリーナのリューズ

アナログ時計で時刻やカレンダーを合わせるのに必須なリューズはどういった構造なのか?押し引きしたときムーブメントではどういった動きをしてるのか、機械式時計ではリューズからどのように力が伝わっているかを解説します。

リューズとは?

アンティークウォッチのムーブメント

まず始めに、リューズとは【竜頭・龍頭】とも表記し、英語では【crown】、王冠を意味します。懐中時計まで遡ると、元々はチェーンを通したり、時計の上下を知るためのパーツだったらしいが、もともとは鐘を吊るすための輪の形をしている部分が竜頭と呼ばれていたことが起源だとか。

その後の発明で、内部構造とリンクするようになり現代の時計の時刻やカレンダーの操作、ゼンマイの巻き上げ等の役割を持つようになりました。

リューズの種類

一口にリューズと行っても種類があります。

引き出し式リューズ

はめ込み式リューズ

ポピュラーなタイプで、リューズをそのまま引き出したり、押し込んだりするタイプです。(写真は電池式のリューズです)指でつまんだり、爪を隙間に入れることで引き出したりできるので、操作が容易にできます。構造も簡素なため多くの時計で用いられます。

ねじ込み式リューズ

ねじ込み式リューズ


リューズがネジ状になっており、緩めてからでないと操作ができないタイプです。リューズをしっかりとロックすることで、気密性をより高め、ダイバーウォッチなどの防水性の高い時計に使われることが多いです。
気密性が高いからと言って、温泉やサウナでの使用は想定されていないですし、温泉成分による部品等の劣化、高温下での着用による火傷の恐れがありますので、十分注意してください。

リューズを構成するパーツ

時計のリューズ

ひとくちにリューズと言っても、通常の使用ではリューズしか見えませんが、実際に取り外してみるとリューズに細長い棒状のパーツ、巻き芯(巻真)が付いています。

巻き芯とは?

巻き芯(巻真)とリューズとリューズチューブとパッキン。構造

リューズから巻き芯までもパッキン、リューズチューブ、巻き芯と、様々な部品が使われて構成されています。リューズまわりでもこれだけのパーツが使われています。時計がいかに精密機器かというのが分かるかと思います。

リューズと巻き芯

巻き芯はリューズを押し引きしたときに可動する棒状のパーツで、先端はデコボコした形状、リューズ側はネジ状になっています。実はこのネジ状になっている方がリューズにねじ込んであり、嫌気性の接着剤で固定されています。(写真の爪楊枝が入っている所に巻き芯が刺さります。)

リューズのネジ穴

その反対のデコボコした部分は、内部のパーツと噛み合うための凹凸が付いており、オシドリ・かんぬき・キチ車・ツヅミ車と直接触れています。これらのパーツがリューズを押し引きした際に動き、様々な動作が出来るようになっていて、よく考えられた部品だなあとつくづく思います!

リューズが取れてしまったら?

唯一時計を操作する重要なパーツです。

リューズが折れた

リューズ(突起部分)が取れてしまった場合はネジの部分からポキっと折れてしまった可能性があります。この場合はリューズを交換する必要があります。アンティークやヴィンテージの場合すでに作られていない可能性もあります。

巻き芯ごと抜けた

巻き芯が抜けた穴に差し込み戻すと一時的にハマり再び使う事も可能ですが、巻き芯を押させているオシドリが故障してる可能性があるので時計を分解しての修理が必要です。

リューズ操作の基本

一般的な引き出し式のリューズは、前述した通りリューズをつまむ、もしくはリューズとケースの間に爪を差し込むことで引き上げられます。

カレンダー無の場合

カレンダー機能の無い時計のリューズを引っ張った時

カレンダー無(多機能でないもの)の場合、リューズは一段引きで時・分針を回せるようになります。

カレンダー付の場合

カレンダー付きのリューズは2段階で引ける

カレンダー付のものは二段引けるようになっており、一段引き時は日付・曜日の切り替えが行え、さらに引き上げることで時・分針を回せるようになります。

共通の操作

リューズを一番外側まで引き上げると秒針の動きも止まります。秒針はリューズ操作で動かず、合わせる事が出来ないため、ぴったり合わせたい場合は12時位置に秒針が来た時に引き上げて止めるのが一般的で分かりやすいです。

ねじ込み式も同様の操作ですが、操作を始める前にロックされたリューズを緩めないといけません。

緩め方は簡単で、リューズを手前に回すことで緩めることができます。

ここで気を付けたいことがあります。ねじ込み式のリューズは合わせ終わった後に再度リューズを締めこまないといけません。しっかりと締め込まないと防水性が十分に確保できず、水、湿気、埃が入り込み、不調の原因となります。締め込み方はリューズを押し込みながら、今度は奥の方へ回していき、リューズが動かなくなるまで締め込んで下さい。

締め込む際の注意もあり、ネジ山がうまく噛み合っていない状態で締め込もうとするとネジ山を傷めてしまい、ねじ込み不良の原因となります。そもそも、嚙み合っていないと締め込みが極端に硬くなりますので、その場合は傷みを防止するためにも操作をやり直してください。うまくいかない場合は無理に締め込まず一度リューズを半回転ほど手前に回してから締め込むことで、上手く締め込む事が出来るようになります。

例外もあり、機械式の場合、主に古い時計にはハック機能(秒針を止める機能)がないものもあり、秒針をぴったり合わせることが難しいものも存在します。

リューズが押し込まれている状態

押し込まれている状態、つまり通常使用時の状態です。身に着ける際はこの状態で使用してください。

クォーツ時計の場合

リューズをどちら側に回しても空回りし、何も操作ができない状態です。

機械式時計の場合

機械式の場合、手巻き・自動巻きに関わらず奥側に回すことで手巻き出来ます。

いわゆるゼンマイを巻き上げる操作のことです。手巻き時計は巻き続けると急に回せなくなるほど重くなる状態になりますが、その状態こそがゼンマイをいっぱいまで巻き上げた状態です。

自動巻きの場合は構造上の関係で、ゼンマイの巻止まりはありません。いっぱいまで巻き上げると多少の手応えの重さは感じますが、ゼンマイがスリップする機構が備わっており、ゼンマイが切れてしまう事を防いでくれます。ずっと巻き上げられますが、巻き過ぎの弊害として歯車類のパーツの摩耗が起こってしまうため、過度な操作は控えるべきです。

この状態では、巻き芯に付いているキチ車が丸穴車と嚙み合っており、奥側に回した時だけ回るようになっています。その原理は、キチ車とツヅミ車が片方向回転のみ噛み合うような形になっており、逆回転ではキチ車とツヅミ車が滑るようになっています。

ここで、巻き芯のデコボコした形の理由が分かってきます。キチ車の中心には丸い穴が空いており、断面の丸い棒に刺さっているだけなのですが、その状態で回しても、少しの抵抗でも回らなくなってしまいます。

しかし、ツヅミ車の穴は角型なっており、丁度巻き芯の角型になっている部分に付いているため、リューズを回した時の力がしっかりと伝わり回す事が出来ます。

時計のキチ車の写真

文字にして説明すると難しく聞こえますが、図や写真で見ると意外にも簡単に理解できるかと思います。

リューズの仕組み

引用:http://www.tokeizanmai.com/

例外もあり、手巻き機能がない自動巻きムーブメントもありますが、その場合はローター(回転錘)を回すように軽く時計を振って巻き上げてあげないといけないものもあります。こういったタイプは、ここ最近見かけることはほとんどないように感じます。ローターの回転方向もあったりしますが、ここではリューズの話から大きく逸れるので別の機会に・・・

リューズが引かれている状態

リューズの引いてない状態と1段階引いた状態と、2段階引いた状態

リューズが引かれた状態では、クォーツ・機械式の違いはないため、同様の動作をします。日付、カレンダー付のものは、2段階リューズを引き出す事が出来ます。

1段引きの状態

1段階リューズを引くとカレンダーが回せる

時計は通常通り動きますが、この状態でりゅうずを回すことで日付やカレンダーを修正できます。
早い話、『早送りして合わせる』ってことです。ムーブメントによって回す方向が違うので実際に回してどちらが日付・カレンダーなのか確認してください。ここで※注意※することがあります!
日付・曜日変更禁止時間帯というものがあります。構造上、切り替わるタイミングでは歯車がかみ合っており、この状態のときに外部の力を加えて変えようとすると、噛み合っている歯車を無視して動かすことになるため、日付・カレンダーの変更する歯車を破損させることがあります。壊してしまった場合、切り替わり時間がおかしくなったり、動かなくなります。そうなったら、素直にOHしてください・・・
ちなみに、たまに見かけますが、この状態でりゅうずを動かしたとき、時針だけが動くものがあります。このタイプは時針の動きと日付が連動しているので、破損の心配はないです。こういったタイプは、時針が1時間ずつ動くようになっています。

GMT針が付いているものはこのタイミングで動かせるようになるものもあります。この針は24時間で、1周する針で、他の国の時間を合わせる事で同時に2か国の時刻が見られます。(ホームタイム・ローカルタイム)
ひとくちにリューズと言っても、1段引くだけでもこれだけの仕事をしています。とても忙しいパーツですね!

2段引きの状態

2段階目までリューズを引っ張った時、分針と時針が変えられる

この状態になると、時計の動きが止まります。秒針も止まる(止まらないものもあります。)ので、時刻を合わせるときは2段引きの状態にします。この時にリューズを回すと針を時計回り、反時計回りに動かす事が出来ます。古い時計を除いてほとんどは逆回転しても大丈夫なようですが、特殊な動作をするものはそれに対応していない場合があるため、そのムーブメントの特性に合った使い方を心掛けましょう。不安な場合は説明書などにそういったことは書いてあるので、そちらを参照するのが確実です。メーカーの言ったことなら確実ですからね!

リューズを回した時の力の伝わり方

ここでは普段、何気なく時刻合わせや巻き上げに触っているリューズですが、どのように各所まで力が伝達されているかを説明します。

0段引き状態(通常使用時)

リューズを引いていない状態

先にも説明した通り、クオーツでは空回りして何も動きませんが、自動巻き(手巻き機能付きのもののみ)や手巻きの時計では巻き上げが出来ます。なぜなら筒車は巻き芯の『角』の部分に組み込まれているからです。その筒車にキチ車が押さえられ、そのおかげでリューズを回した時にツヅミ車がキチ車を回し、丸穴車に力を伝える事が出来ます。丸穴車の次は角穴車へ力が伝わります。角穴車は読んで字の如く、ツヅミ車と同じく中心の穴が丸ではなく角になっています。
丸穴車・角穴車は歯車に軸が付いておらず、中心に丸・角型をした穴が空いています。
角穴車は香箱車の軸部(香箱芯)にネジで固定されており、穴が角状なので滑らずに香箱車へ力を伝える事が出来ます。香箱車は動力を蓄える部分で、動力ゼンマイが収められておりゼンマイが巻かれていきます。ここはクオーツの時計で言う電池に当たる部分です。

ここより先はリューズを回した時に動作しない部分なので詳しい説明は省きますが、香箱車に蓄えられた動力ゼンマイが解ける力は、香箱車(1番車)、2番車(分針)と筒カナ、3番車、4番車(秒針)、ガンギ車、アンクル、テンプと伝わっていきます。時針は?と思うかと思いますが、筒車というまた別のパーツで、筒カナと日の裏車という歯車を介して力が伝わります。歯車の歯の数の違いから、それぞれ12時間で1周、60分で1周、1分で1周するようになっています。ついでに、歯車の並びを【輪列】と言います。

手巻き時の力の伝わり方
リューズ ⇒ 巻き芯 ⇒ ツヅミ車 ⇒ キチ車 ⇒丸穴車 ⇒ 角穴車 ⇒ 香箱芯(ぜんまい)

1段引き状態

この状態では時計の動きは止まらないですが、日付、曜日が切り替えられます。
1段引いたことでツヅミ車がカレンダー早送り車(日車)と噛み合い早送りできるようになります。
日送りと逆回転させると歯車がもう一つの歯車(曜車)に噛み合いどちらかだけが切り替わるようになっています。時計の通常動作とは別に動かしているため、早送り禁止時間帯に動かすと壊れてしまうのはこのせいです。ちなみにカレンダー操作禁止時間帯はPM8:00~AM4:00と言われています。
一部のムーブメントでは、時針を1時間毎にジャンプしながら動き、それに伴ってカレンダーが動くモデルもあります。そういったものは例外です。

2段引き状態

ほとんどの時計でハック機能(秒針停止機能)により、時計の動作が止まります。
ムーブメントによって異なりますが、多くは規正レバー(秒針を止めるパーツ)が歯車やテンワなどにレバーが当たり、動きを止めます。この時、ツヅミ車の溝に当たっているカンヌキによって小鉄車に噛み合わさり、日の裏車(時分針をに力を伝える歯車)から筒車を動かし、時刻の修正が出来るようになります。通常の時計の動作を早くできるようにしているので、1段引きとは違いカレンダーも通常通り動きます。

最後に

リューズの操作後はしっかりと押し込み、ねじ込み式に関してはしっかり締め込んでから使うようにしましょう!でないと、せっかくの大事な時計の中に湿気やほこりなどが入って、調子が悪くなってしまうリスクが高くなります。

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