現在、時計の駆動方式については主として2種類あり、一つは時計の発明時から採用されていた複雑な金属部品を組み合わせて時を刻む機械式・もう一つは電池を駆動源として水晶の振動により時を刻むクォーツ式があり、どちらも主流の動力ムーブメントです。
機械式時計は複雑な部品を数多く使用し、心臓部となるゼンマイの緩む力によって時間を刻み、ゼンマイを巻き上げれば動力の補充は必要ありません。
一方、クォーツ式時計は電池を駆動源として、水晶が振動する事で時間を刻み、動力の電池が切れると動作が止まりますが、電池の入れ替えでカンタンに復活します。
今、ほとんどの時計がクォーツ式になっているのに対し、一時期衰退しましたが、機械式ムーブメントの構造が趣味人に受け、所有物としての魅力が加わり復活、現在は人気を二分しており、価値が高くなりました。
クォーツ式はムーブメントの構造が大量生産で完成されており、精度的に優秀・メンテナンスも楽な事から比較的廉価なものとして認知されています。
かたや機械式時計は複雑な金属部品を優秀で熟練した職人の手によって組み上げるため、工芸品としての魅力も高く、精度はクォーツ式に比べ劣りますが、熱心な収集家や愛用者も多く、価値が高い物として認められています。
時計は精度として月差・あるいは年差という時間のズレが生じ、クォーツ式時計が月差±約30秒・年差でも±約2~3分が平均なのに対し、機械式時計は月差で±2~3分・年差で±約5分程度が平均といわれ、長年使用すると定期的なメンテナンスが必要です。
この月差・年差が目安となり、機械式時計購入時説明書に記載されている月差・年差以内で時計が作動している場合は良いですが、それ以上に時間の進み・遅れが生じるようになると、何らかの要因で機械の故障を起こしている可能性が高くなります。
大幅な時刻の進み・遅れは機械式時計にとって致命的といっても良く、他国に比べ時間に厳しいといわれる日本で暮らす我々にとっては大きな問題となります。
特に症状として起こりがちなのが時間の大幅な進みで、機械の状態・故障症状によっては一日で2~3時間進む例もあり、こうなってしまうと時計としての役割を果たすことはできません。
このような症状が出た場合は速やかに使用を止め、動作が停止したら早急にメーカーや時計修理店に相談するのが望ましいです。
ここでは身に付けるものとして価値が高い機械式時計の、時間が進む原因や対処法・また修理店に依頼した際の修理内容や料金についても紹介して行きます。
現在機械式時計を愛用しており、時間の進みでお困りの方は参考になる情報が多数ありますので、是非この機会に目を通して見てください。
Contents
機械式時計にはなぜ進みや遅れのトラブルが生じるのか
時間の狂いが最大限抑えられる時計として現在電波時計が存在しますが、これまで発明されてきた時計のメカニズムはある程度の範囲で誤差が生じる作りとなっています。
特に機械式ムーブメントは動力であるゼンマイの緩みを伝える為に歯車などの精密部品が必要で、針に力を送るまでに誤差が生じてしまうのが大きな理由として考えられます。
これらのメカニズムが支障なく動作するよう、機械式ムーブメントにはゼンマイの動きを安定させる潤滑油が注入されており、この潤滑油が切れたまま使用するとゼンマイの動作に不具合が生じ、時間の進みや遅れが発生します。
さらに歯車やテンプ、自動巻き時計の場合駆動ローターなどの摩耗や、これらの部品駆動によるカスが溜まる事でも時間の精度に大きなズレが生じます。
また、時計には精度の微調整を行う緩急針という部品があり、強い衝撃などのショックで位置ズレを起こすと、緩急針は直接ゼンマイに触れている部品の為、精度を落としてしまい、専門家による調整が必要です。
あと、近年増えているのが機械式ムーブメントが磁気を帯びてしまい、精度が狂う現象です。
現在、私たちの身の回りには家電製品やスマートフォン・パソコンなど、強い磁気を発するものに溢れています。
家電製品の近くに時計を放置すると、機械式ムーブメントが磁気帯びを起こし、磁気を帯びている間は精度が狂い続けます。
状況を改善するにはメーカーや修理専門店に依頼し、専用の脱磁機で脱磁を行う事が必要です。
特に機械式時計の時間が進む症状は、テンプとゼンマイに関連の深い「調速機・脱進機」と呼ばれる部品の摩耗や不具合によるものが非常に多く、専門的なメンテナンスを施さなくては症状が解決しません。
機械式時計はクォーツ式などに比べ、熟練した高い技術で精密な部品を組み上げ調整されている為、これらのトラブルが起きた場合は速やかにメーカーあるいは時計修理専門店に相談する事、また普段から定期的なメンテナンスを意識して使用する事が大切になります。
機械式時計の時間が進んでしまう際の対処方法
万が一、愛用している機械式時計の時間が大きな進みを起こし、解決できない場合の対処方法ですが、製造元が定めている月差・年差以上に狂いが生じた時は自分で調整を試みるのは非常に危険ですので、直ちに使用を止めてゼンマイが完全に緩み切ったところで時間が止まったことを確認、速やかにメーカーあるいは時計修理専門店に持ち込み、相談するのがベストと言えます。
機械式時計の進みによるトラブルは、上記のような機械部品によるトラブル、電化製品等の影響で起こる磁気帯びが大半を占めますので、専門的にメンテナンス・修理をお願いする事が賢明です。
記事参照:オリエント公式サイト・メンテナンスガイド
メーカー・時計修理専門店の対応・修理に関する料金・納期について
機械式時計の時間が進む症状を解決するには、自分で修理などを試みるのは厳禁で、かえって症状が悪化し、最悪使用不能になる可能性が高いです。
ですので、所有している時計の製造メーカーに依頼するか、我が国日本には優秀な技術を持つ時計修理専門店がありますので、そちらを利用するのがおすすめの方法です。
堅実なのは製造メーカーに依頼する方法ですが、メーカーの場合モデルによって所有している交換部品の保有年数に限界があり、特にアンティーク品や旧式モデルはメーカーでは修理できない例もあります。
また、メーカーの場合ほとんどが製品預かり後見積りとなり、事前に料金が確認できないことが多いです。
その点、時計修理専門店は旧式の部品でもストックを持っている例や、熟練した職人が在籍する修理店では、部品が無い場合、新たに部品を作って修理してくれるお店もあり、柔軟に対応してくれるのでおすすめです。
納期についても、メーカー修理の場合基本として約1ヶ月以上を目安としているメーカーが大半ですが、時計修理専門店の場合、基本3~4週間を目安としている修理店が多く、メーカーよりも迅速な対応で便利・且つ利用しやすくなっています。
修理専門店によって目安は異なりますが、時計修理専門店の進みによるトラブル修理の概算柳雄金について調べてみましょう。
機械式時計時間の進み症状修理内容 | 修理料金(概算) |
---|---|
磁気帯び解消の磁気抜き作業 | 3,300円~(概算) |
ムーブメントオーバーホール | 22,000円~(概算)オーバーホールのみ・部品交換が必要な場合別途料金上乗せ |
原因となる部品の交換 | 交換部品の数・内容によって異なる為、応相談・要見積り |
このような概算料金になっており、基本料金を設定している修理店が多い為、気軽に相談できるようになっています。
しかし、時計修理専門店は非常に店舗数が多く、在籍する修理担当技能士によって仕上がりにレベルの差があり、優秀な実績と評判を持つ修理店を選択する事が必須となります。
機械式時計の修理を依頼する場合優秀な技術を持った修理技能士が在籍する修理店を選ぶ事が重要な理由
我が国日本は時計製造・修理に関して世界でもトップクラスの技術を持っており、海外からも高い評価を獲得しています。
しかし、時計修理専門は非常に店舗数が多く、全てが優秀な修理専門店とは限りません。
特に資格を取得していない技術士と有資格技術士では、作業のレベルに大きな差があり、信用度も桁違いに異なります。
そのため依頼する修理専門店の選択を誤ると、満足する結果が得られない可能性があります。
時計修理技能士は資格なしでも作業をすることができますが、日本には専門の国家資格が存在し、名称を時計修理技能士といいます。
3級からランクがあり、2級・1級とランクが上がり、1級が最上資格となります。
特に1級時計修理技能士は上級資格として登録されている難度の高い資格で、もし探している修理店に1級時計修理技能士が在籍していれば、その修理店の信頼度は非常に高いです。
しかし、実際は全ての修理作業を1級時計修理技能士が担当しているわけではないので、依頼する場合には事前にお店ときちんと面談を行い、事前に作業の詳細を確かめておくことが大切になります。
時計修理専門店に機械式時計の進みによるトラブルを依頼するメリット
製造メーカーよりも料金・納期等の対応が明確で敷居も低く相談しやすい
経験豊かで優秀な1級時計修理技能士が作業を担当すれば内容・質は製造メーカーと変わらない
製造メーカーに部品の無い古いモデルも優秀で経験豊富な1級時計修理技能士が在籍する信頼の置ける修理店なら高品質・格安でオーバーホールできる可能性が高い
腕時計修理専門店への依頼なら
クラフトワーカーズがオススメ!
腕時計修理専門店へ依頼を考えているのであればクラフトワーカーズがオススメです。
クラフトワーカーズでは以下のような特徴があります。
- 複数の修理専門店にまとめて見積もりがとれる
- メーカーやデパートよりも料金が安い
- 最短で3週間と納期が早い
- 担当する職人が選べる
- 時計修理技能士1級など全ての職人が資格を保持
- 修理後の保証が1年間と安心
- 交換部品があった場合にはメーカー純正部品を使用している
- 見積・送料が無料
クラフトワーカーズでは、時計情報を記入するだけで複数の修理専門店の優秀な職人に、纏めて見積もりをとり、料金や納期を比較して選ぶことができるサービスです。在籍している職人は全員時計修理の資格を所有しているため一定の技術以上を持ち合わせた職人だけになります。
未熟な人間が時計をメンテナンスする事はありません。
1年間の保証が設けられメーカーより安い金額で優秀な職人にオーバーホールを行なってもらえるので、正規メンテナンスでないとイヤだ!という方でない限りは、是非使ってみてください。
職人を選ぶ事ができる仕組みは、時計修理業界初になります。
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実際にオーバーホールを行う職人とダイレクトにやり取りができるので、不安な事、疑問点を直接職人に聞き解決してから、安心して依頼できます。
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機械式時計の時間が進むトラブルは製造メーカーか評判の高い時計修理専門店を選択・それぞれのメリット・デメリットを良く判断して依頼する事が重要
機械式時計の場合、優秀な技術を持つ職人によって複雑で精巧な部品を組み上げ製造されており、時間の進み・遅れなど重要なトラブルが発生した場合は、速やかに製造メーカーあるいは時計修理専門店に依頼する事が望ましいです。
しかし、製造メーカーの場合、アンティーク品や旧式モデルなどは部品保有期間を過ぎており、修理不能な場合が多く、ハードルが高くなります。
その点、時計修理専門店の場合は優秀で経験豊富な技能士が在籍する修理店ならば、古い部品のストックを持っていたり、一から部品を作り起こししてくれる修理店もあり、おすすめの方法になります。
ですが、時計修理専門店は修理店によりレベルの差が激しく、経験の浅い技能士や資格を持たない技能士が作業を手掛けると、満足のいく仕上がりにならない可能性が高いです。
そのため事前にできる限りの情報を集め、時計修理専門店に関する基礎知識を十分に身に付けてから、間違いのない修理店を選ぶようにすることが必須です。
機械式時計の深刻なトラブルとなる時間の進みの症状を良好に解決するため、本当に信頼が置け技術の高い腕時計修理店を見つけ、匠の技術を持つ本物の腕時計修理技能士が手掛ける、高品質な作業の仕上がりを体験してください。